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    2009

07.12

「フェイク・ゲーム」阿川大樹

フェイク・ゲームフェイク・ゲーム
(2009/05)
阿川 大樹

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比嘉翔太は左腕の痺れで目が覚めた。酒に酔ったリツをアパートに送ってきて、そのままベッドに倒れこんだのだ。もともと昔のバイト仲間であるリツに町で偶然会ってからというのも、いつだって彼女のペースに振り回されていた。それをイヤだと思っていない。夜はキャバ嬢、昼間は足裏マッサージと、たくましく働いていたリツは、ふつうとはちがったところのある不思議な女で、それだからこそ彼女と一緒にいる時間は特別な人生を送っているみたいに楽しかった。いきさつはともかく、ついにしたのだ。彼女は、二つの身分証を持っていた。外国人登録証明書の名前は琳霞梅。国籍は中国。運転免許証の名前は西山律子。

海外勤務族の家庭に生まれた高岡麗美は、中学生まで中国系社会を転々としながら育った。戸梶という男が自分の経営する高級クラブのかけだしホステスである麗美に興味をしめしたのは何故なのか。ヤクザのトップである戸梶は、麗美の野心に気づいたからだった。組織内外で麗美は独身である戸梶の愛人と見られている。むしろそう見せていたが実際はちがう。麗美がビジネスをするにあたって、組織のどこに行っても必要な権限を発揮できるためには、姐さんであることが最高に望ましい方便だった。麗美は、そうして戸梶の片腕になった。それ以来、ずっと戸梶のもとで働いていた。曜日によってホステスとして出勤している。大学は要領よく卒業した。

リツことリン・シャメイ。彼女は日本の行政システムの盲点を突き、中国の国籍を残したままでほんとうの日本人になって、不法滞在していた。そして、同じような中国人に対し、日本国籍を売るビジネス始め、それがきっかけで日中のヤクザ組織から追われ、忽然と姿を隠した。リツを探し始めた翔太の前に現れたのは不思議な女。戸梶のもとで六本木のビジネスを成功に導き、新宿の裏社会を支配する中国人の黄亮文にトレードされ、歌舞伎町の女王と呼ばれるに至った中国人、リーメイこと麗美その人だった。リーメイは、中国から留学生として引っ張ってくる輸入ビジネスを管理してきた。そこにただ一人で穴を開け、立場を揺るがしたのがリツだったのだ。

一方は、他人の資本を使って、自分の才覚と決断力でビジネスをし、その成功よって自分の存在価値を確認している。一方はしたたかさという己の才覚だけで、金持ちになるために必死になっている。権力を握る側と、これから這い上がっていこうとする側の野心。翔太は居酒屋でアルバイトを始めただけで、それまでに会ったこともない不思議な女リツに出会い、意図しないうちにリーメイ(麗美)という女と関わりを持った。中国人が日本人になり、日本人が中国人になる。対照的だがどこか似ている二人。その麗美サイドの立身ぶりは浮世離れしていたと思うが、アンダーグラウンドで生きるパワーは感じることができた。実際にいるとしたら困った二人だけど、おもしろかったです。そして歌舞伎町って怖い。完全な偏見だけど。

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