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    2009

07.16

「凍える牙」乃南アサ

凍える牙 (新潮文庫)凍える牙 (新潮文庫)
(2000/01)
乃南 アサ

商品詳細を見る

深夜のファミリーレストランで突然炎が噴き上がった。一瞬のうちに席に座っていた男が炎に包まれたのだ。やがて、炎は男から店に燃え移り、一階、更に、炎は二階、三階と広がり、六階建ての五階の一部にまで達した。初動捜査により、焼死体のベルトに時限発火装置が仕掛けられていたと判明した。被害者の右大腿部および左足首に、何ものかによって咬まれた痕、恐らく、かなり大型の犬などによって咬まれた咬傷の痕が残っていた。

警視庁機動捜査隊の音道貴子は、警視庁立川中央署の滝沢と捜査にあたることになった。典型的な男社会とはいえ、滝沢という古参の刑事は、まるで貴子を敵か何かのように思っているらしい。「だから女は面倒だ」とでも言われたりしては、たまったものではない。滝沢は貴子の挨拶にすら答えようとしなかった。苦手な相手だ、とても好きになど、なれそうもない。取りあえず、ベテランの滝沢が、自分で判断して動いているのだから、貴子としてはそれに従うだけだった。

被害者の身元は分かった。職業も、私生活の部分もおおよそが掴めてきている。現場には、時限発火装置という決定的な物証までがある。だが捜査はすっかり暗礁に乗り上げていた。そこに野犬らしいものに襲われて死亡する事件が立て続けに起こった。どうも本件の被害者の咬傷痕と酷似しているらしい。オオカミではないかという見方が強い。貴子は、オオカミに犬をかけ合わせて出来たウルフドッグというオオカミ犬に行き着いた。やがて、オオカミ犬の飼い主の中に、警察犬の訓練を担当していた男が浮上してきて……。


なんかこういう女刑事って食傷気味。ぱっと思いつくのは、どうしても好きになれない村上緑子。次に思いついたのは、まだマシな平野瑞穂。その次に思い出したのは、別格の姫川玲子。共通するのは女性蔑視。滝沢はわかりやすく貴子を無視し、他の人には愛想がよく、わざと喧嘩を売るような物言いばかりをしてくる。一方の貴子だって、女だから嘗められまいと、肩肘張って無愛想を通し、心の中で毒を吐き続けている。男嫌いと女嫌い。どっちもどっちで、徐々に相手を認めて気持ちを通わせて。ありだけど、読んでいて全然新鮮味がなかった。

そんな古臭い対立はともかく、事件のほうは面白かった。オオカミ犬が出た時点で、犯人や、犯人の動機などは見えてしまう。しかしそれでも読ませてしまう要因がここにはあった。オオカミ犬の疾風(ハヤテ)だ。人見知りが激しく、絶対に飼い主以外には懐かない。名前が現すように、一陣の風のように走り続ける。家族だけを大切にする。その家族、飼い主の命令で人間を殺害し続ける哀れなオオカミ犬。その疾風と向かい合う音道貴子。そこに何とも言えぬ感動が込みあげてきた。疾風が悪いのではない。そうするように命じたのは飼い主である。それがとても切なかった。

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紹介文深夜のファミリーレストランで突如、男の身体が炎上した!遺体には獣の咬傷が残されており、警視庁機動捜査隊の音道貴子は相棒の中年デカ・滝沢と捜査にあたる。やがて、同じ獣による咬殺事件が続発。この異常な事件を引き起こしている怨念は何なのか?野獣との対決の...

2009/07/29(水) 12:27 | ばみの乱読日記 と猫雑貨。

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