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    2009

07.22

「玩具の言い分」朝倉かすみ

玩具の言い分玩具の言い分
(2009/05/14)
朝倉 かすみ

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大人の女性のそれぞれの事情を描いた六つの短編集。

「グラン・トゥーリズモ」
相葉万佐子(38)は、忘年会の失態を反省しつつ、同棲相手の待つコーポに帰りついた。ふと斉野政近のことを少し思った。斉野政近とは、高一のとき、同じクラスだった。グラン・トゥーリズモは、小さな町の若者には名の知れたラブホテルだった。月に二度、斉野政近とそこで過ごした。わたしたちが、わたしたちでいられる場所。それはもう、すべてだった。/若い頃に済ませる体験って、猿になれるんだよな~。あれって何だったんだろう。いや、お恥ずかしいことを。こほん。

「誦文日和」
わたしたちは商店街で生まれ育った。青物屋の晴子とはよく遊んだ。大人たちは晴子に優しく接したがる。晴子にはひとの心を引きつける独特のムードを持っていた。わたしたちは十七歳だった。青物屋の娘は男出入りのはげしい不良だと商店街でささやかれるようになり、わたしは真面目で礼儀正しい不器量な子ということで安定していた。わたしたちは三十二歳になっていた。/わたしから晴子に視点が変わってから、見事に見えるものが一変してしまった。これにはすごいとしか言いようがない。すごい。

「寄り目インコズ」
北風ミドリ、あずりんこと添田あずみ、ペコちゃんこと羽生田佳織、クーこと国枝久美子。高校時代の仲良し四人グループだった。皆、三十五歳。四人のうち、ふたりが家庭を持っている。ミドリたちは三人でクーの新居を訪問する日だった。ミドリは春に出会った男のことを考えていた。ミドリは異性と交際したことがなかった。しかし、三十五にしてミドリも女になった。/仲間内の会話が楽しかった。そして男を知った浮かれぶりは初々しかった。でも突き落としちゃうのよね。こういうの、好き!

「小包どろぼう」
茂美が帰宅したのと入れ違いで両親が出かけて行った。母の姉が肺炎で入院したらしい。母は三人姉妹の真ん中で、独身なのはきみちゃんだけだ。茂美はきみちゃん二号と呼ばれている。命名したのはきみちゃん本人だった。だんだん重苦しく感じてきた。茂美は、現在、四十三歳。きみちゃん同様、一度も結婚歴がないタイプの独身なのだ。きみちゃんの一大事なのに、留守番をいいつかっているきみちゃん二号の自分。その夜の客人は男三人だった。/少女思考は痛いけれど、待ってちゃダメ。それは男も同じかな。


「孑孒踊」
エッセイストの中川さち子は、昨晩、鵜沢芳之と性をかわした。全国紙の支局長だ。四十八歳。さち子より九歳上で、離婚歴がある。このまちに赴任したのは二年前だと聞いている。会館を経営している母と接すると胸がざわめく。その苛立ちは自分にも向かう。あたしは、なにも手に入れていない。やり遂げていない。鵜沢芳之からメールが来ていた。野心の向かう方向が定まった。支局長夫人だ。そうして肩書はエッセイストのままなのだから、申し分ない。/痛さ全開。でもこういう盲目な人っていいわ~。

「努力型サロン」
夫は海外出張中だ。IT関係の会社を経営していて、つきに一度は上海に行く。国枝久美子に不満はなかった。不妊治療に精を出した時期もあったが、結局は、自然に任せるというところに落ち着いた。今年、結婚八年目。夫は四十七歳で、妻は四十三歳だ。おそらく、子どものいない夫婦になる。友だちがみんな、うちに泊まることになった。高校時代の仲良し四人グループで、むかしみたいに夜通し賑やかにやるつもりだ。/「寄り目インコズ」に登場したクー目線。女性だけの悩みって結構あるもんですね。


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朝倉かすみ
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comments

ホロ苦いっていうより男の僕が読んでもかなり痛い小説やなぁーっと思ったんですがこういう同性の痛みをずばっと書けるのはなかなかですよね。。

banchi:2009/07/23(木) 17:56 | URL | [編集]

banchiさん
女性向けの作品でしたね。というか、女性にしか描けないテーマでした。
そういうこともあって共感はありませんでした。
でも、こういう痛~い作品はモロ好みです。

しんちゃん:2009/07/24(金) 17:16 | URL | [編集]

「誦文日和」の視点が変わった時には驚きましたよね。
痛いんだけど、どこか飄々とした印象の残る物語でした。

なな:2009/08/06(木) 08:38 | URL | [編集]

ななさん
近くにいても人によって受け止め方って違う。
「誦文日和」はそこを巧みに突いていたと思います。
朝倉さんってこういう叙述ものも書くのね。初めて知りました。

しんちゃん:2009/08/07(金) 18:03 | URL | [編集]

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