--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

07.23

「COW HOUSE」小路幸也

COW HOUSE―カウハウスCOW HOUSE―カウハウス
(2009/06)
小路 幸也

商品詳細を見る

じいさんと女の子がテニスをやっていた。でも違う。ここは鎌倉で、信じられないぐらい鬱蒼とした森の中の四千平米の敷地を誇る豪邸にあるテニスコートで、しかもここは無人のはず。僕が今日から管理人として住みこむ家。まだ二十五なのに仕事を干されて窓際族として過ごす家。なのに、あのじいさんと女の子は楽しそうにテニスをしている。隣で僕と一緒にぼーっとそれを眺めていた美咲に手で示して、坂城部長に電話した。みんなの憧れの人だった部長は、追い出せ、って。追い出せるだろうか。美咲だって追い出せなくていつの間にか部屋に居着かれてしまっていつの間にか恋人になってしまった僕に。

美咲はともかくとしてその横にふうかちゃんとじいさん。三人ならんでにこにこしながら僕に続いて家に上がろうとしている。こうなるだろうなとは思っていた。いつもそうなんだ。ふうかちゃんは百年に一人のピアノの天才だという。この家にあるピアノを貸してやって欲しいとじいさんはいう。じいさんの言う通り、大きなグランドピアノが、でんと音楽室の真ん中に置かれていた。それからの数分間。僕らは圧倒されていた。ふうかちゃんのピアノは、凄かった。その一方で、じいさんは家では大ボケの徘徊老人を演じていた。部長もプライベートでここに足しげく通うようになっていた。

いつの間にか集まったのはなぜか丑年ばかり。ここは今日から牛の家〈Cow House〉。みんな何かを抱え込んでいた。ふうかちゃんの、家庭の事情。じいさんの、家庭の事情。美咲の、育った家。そしてこの家〈Cow House〉。ふうかちゃんが本当にピアニストになりたいんだったら、その後押しをきちんとしてあげる。じいさんがボケたふりをしないできちんと暮らせるようにあの家の問題を解決してあげる。みんなこの〈Cow House〉に集まった牛だ。管理人は牛のことをきちんと把握しないとならない。カウボーイに投げ縄は必要なんだ。僕が立てた企画書に、部長は「動け」と言った。会社で聞いていた、あの声だった。


ハッピーエンドが大好きな人が読むと、最高!ブラボー!こういうのを読みたかったんだ!と拳を振り上げるような作品。たまにこういうのを読んだからか、自分もその一人だった。でもその一方で、ご都合主義を指摘する人も現れそう。読む人の状況や体調に左右されそうな作品だ。上手く行っていないときなら、けっ、所詮、夢物語なんだよ、と毒を吐いたかもしれない。いわゆる、王道だ。気分が高揚しているときに読めば最高かも。やさぐれているときは読むべからず。そんな一冊かな。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

小路幸也
トラックバック(4)  コメント(2) 

Next |  Back

comments

これは「バンドワゴン」の流れを汲む物語だったので、ほんわかにんまりと読めましたね。
あまりにもラストはできすぎでしたけど、ま、それもいいのかな~と。(笑)

じゃじゃまま:2009/10/08(木) 14:34 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
最初から最後まで小路作品らしい作品でしたね。
この作家さんの場合、できすぎもOKです。

しんちゃん:2009/10/09(金) 17:40 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

COW HOUSE-カウハウス 小路幸也著。


≪★★★≫ 会社が所有している豪邸に、部長の計らいで、同棲中の恋人と共に管理人として住み込むことになった畔木。 その豪邸には、天才ピアニストになるであろう近所の少女、家族円満のために徘徊老人を演じている元有名テニス選手、変人の調律師と、どんどん集まる。

2009/10/08(木) 14:32 | じゃじゃままブックレビュー

小路幸也「COW HOUSE」


小路幸也著 「COW HOUSE」を読む。 このフレーズにシビれた。  あまりにも長い間その葛藤をかかえていたために、それがスタンダードに、デフォルトみたいになっちまった。 [巷の評判]凪の海では, 「今回のこの本はほんとに読後感がすがすがしい。人物設定がみんな私好

2010/02/14(日) 12:10 | ご本といえばblog

【COW HOUSE カウハウス】 小路幸也 著


この企画は・・・今の時代に合っている。利益になるかどうかはまったく未知数だが可能性はゼロではない。何より会社のイメージ戦略としては真っ当で、かつ確実だ。  まずは来訪記念にどうかひとつ! [:next:] 人気blogランキング【あらすじ】この家は、みんなの居場所...

2010/04/12(月) 18:32 | じゅずじの旦那

-


管理人の承認後に表示されます

2014/03/24(月) 02:54 |

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。