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    2009

08.01

「アマルフィ」真保裕一

アマルフィアマルフィ
(2009/04/28)
真保 裕一

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外交官の黒田康作は、外務次官・片岡博嗣の肝いりでイタリアへ飛ぶことになった。日伊共同開発事業の調印式に出席する外務大臣の警護を命じられたのだ。大使館には、すでに本省から特別領事が赴任するとの情報は広まっていた。火の粉は被らないに限る。想像通り、役人根性を丸出しにした連中しか、ここにはいなかった。呑気が習いとなっているイタリア警察と大使館員の尻に、黒田がずっと鞭を入れ続けてきたおかげで、まがりなりにも大臣を迎え入れる準備は進んでいた。

大臣の到着を五日後に控えたその日、立て続けに事件が発生した。大使館の敷地内に火炎瓶が投げ込まれ、さらに、母親と二人で旅行に来た九歳の女の子が、ホテルからいなくなった。黒田は見習い外務職員の安達佳苗を連れ、ホテルへ向かった。邦人保護担当特別領事。それが片岡から与えられた黒田の正式な肩書だった。母親は、外資系の銀行に勤める矢上紗江子。娘は、まどか。その時、矢上紗江子の手の中で、携帯電話が鳴り出した。娘は預かっている。黒田は力任せに携帯を彼女の手から奪い取った。少女は誘拐されていた。

黒田は邦人保護担当特別領事として、紗江子の偽りの夫として事件に巻き込まれていく。身代金取引自体が違法のイタリアで犯人から指定された方法で取引に応じようとする二人。犯人の指示通りユーロスターに乗り、ナポリの先アマルフィへ着いた。だが、手を出すなという被害者の身内と大使館からの要請があったにもかかわらず、警察の判断ミスにより警察の介入が犯人グループにばれてしまい、取引の中止を通告された。紗江子は絶望し、黒田に対しても怒りをぶつけてくる。

ローマに戻った紗江子は、警察や黒田に伝えようとせず、インターネットを利用して一人で何かを調べ始めた。それに気づいた黒田は、彼女が調べていたサイトの延長線上に、ある共通点を見つけ出した。少女が行方不明になったローマのホテル、ユーロスターを運行するイタリア鉄道、犯人が指定したアマルフィのホテル。すべて同じ警備会社の監視カメラが設置されていた。黒田は紗江子と共にミネルヴァ・セキュリティーへ向かう。だが、それも犯人の仕掛けた罠の一つでしかなかった。

フジテレビの開局50周年記念映画の小説版。簡単にいえば、単なる身代金目的の人質誘拐事件と思われたが、実は国際的な政治事件であったと徐々に明らかにされていくサスペンス作品。緊張感はあったと思う。ただ、大使館の無能ぶりを外交官の黒田の口からも、被害者の身内である紗江子からもと、何度も繰り返されると逆にしらけてしまう。日本人なら誰もが知っている恥を、そうしつこく念を押す必要があったのかどうか。それと映画では織田裕二の演技力でカバーはできたとしても、主人公の黒田の輪郭がわかりにくい。外務省のはみ出し者のような設定だけど、ちょっと熱血な人にしか思えなかった。

それに映画のプロットが元になっているので、どうしてもクライマックスに比重が重く偏っている。言い換えれば、終盤の展開は劇的で目まぐるしいが、そこに至るまでが小説としては助長に思えた。映像的には二転三転しているのだろう。しかし文字を追う人にとっては、ずっと起伏のない平坦な、大げさにいえば、盛り上がりのない展開が続いている。たぶん、映画はフジ系列の派手な宣伝でヒットはするのでしょう。けれど小説としてはバランスが悪いように一読者は思った。要するに、映画を観ろということ。しかしソマリアに飛んだ黒田を読みたいとは思ったけど。


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comments

はじめまして。いつもひそかに参考にさせて頂いてます。これ、映画をちょうど観たばかりで、原作がどうなっているのか気になっていたところなのです。やはり、映画ありきの原作となっているようですね。映画を観た限りで一番気になったのは副題の「女神の報酬」の意味がよくわからなかったことなのですが、原作ではその辺りがきちんと説明されているのでしょうか?

べる:2009/08/02(日) 07:42 | URL | [編集]

べるさん、はじめまして。
映画ありきでしょうね。副題は、あったことを今知りました。そういう意味を読み取れるような気配みたいなものはまったく感じなかったです。さらに言うと、アマルフィという地を重要視していなかったです。取引の中止になった舞台という扱いだけでしたもの。

しんちゃん:2009/08/02(日) 19:15 | URL | [編集]

国際的な政治事件はいいんですよね~。だけど、どうもそれと誘拐事件で黒田と母親がイタリアを走り回るのが、ど~~しても「ただ海外ロケしたかっただけ」のこじつけに思えて、なんだか斜め読みでしたね。
政治事件の重みで全編貫いて欲しかったです。(ま、映画のためだから仕方ないけど)

じゃじゃまま:2009/08/21(金) 22:14 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
舞台をイタリアにした良さは全然ありませんでしたね。
日本でいいじゃんって思いました。
それと紗江子=天美祐希という感じじゃなかったです。
まあ、映画はザ・織田祐二だろうけど。

しんちゃん:2009/08/23(日) 17:11 | URL | [編集]

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アマルフィ 真保裕一著。


≪★★★≫ う~ん。終盤39辺りで★三つになったかな。 それまでは★二つっていうか・・・。 映画のための小説って思ってたせいか、フジのため、織田裕二のためって感じで、どのシーンも織田裕二が奔走し、イタリアの風景がちらつくたびに、制作費かかったんだろうな~

2009/08/21(金) 22:10 | じゃじゃままブックレビュー

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