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    2009

08.02

「カニザノビー」小野寺史宜

カニザノビーカニザノビー
(2009/06)
小野寺 史宜

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帆村直丈と最上頼也は、小学生のときに同じクラスになったことがある。具体的には、小学校三年生のとき。ライヤが転校してきて、ナオタが転校していくまでの、一年間。ナオタとライヤの仲は、ごく普通に、よかった。どちらも蟹座のBだった。運勢が同じなら、何故ライヤの年収は二億八千万で、ナオタはゼロなんだろう。何故ライヤは球界を代表する左腕エースになり、ナオタはうだつのあがらないシナリオライター志望のままなんだろう。

ナオタの妹=帆村琴恵は、去年、とある童話賞をもらい、小説家としてデビューした。兄のナオタに言わせれば、妹は「書く」タイプではなかった。キャリア二、三年の妹にあっけなく抜き去られたキャリア十年の兄。ナオタは製菓会社で丸五年働いた。二年前にそこを辞めてからは、貯金をとり崩して食べている。リミットは迫っている。あと半年。もってそこまでだろう。かつて同僚だった彼女は、ヒモはいや、と去っていった。

ドスン!ドスドスドス、ドスン!一週間くらい前から、突然これが始まった。二階の住人が代わった。恐竜は、おそらく勤め人だ。だから、毎朝六時四十五分に起き、ナオタも一緒に起きる。八時十五分には出かけ、夜は十一時すぎに帰ってくる。大きな音を出していたのは女。恐竜はメスだった。名前は菊池澄香。恐竜というよりは「みにくいあひるの子」という感じの無防備な女の子だった。

棚田阿里との再会。その衝撃は大きかった。ヤケ気味にフーゾク店を訪れ、そこで再会したのだ。初恋の人で、特別な人。その彼女が二十年後にヘルス嬢として現われ、そうとは気づかずに自分が指名してしまうなんて。その数日後、突然、ライヤから電話がかかってきた。今でもつながりがある共通の友人に番号を聞いたという。少し緊張した。何せ会うのは二十年ぶりなのだ。関係が悪化している妻の最上実果子を尾行して欲しいと、ライヤは頼んできた。

ナオタを視点とした群像劇でしょうか。初恋の人がフーゾク嬢になっているのってどうなんだろう。有名人から突然会おうと誘われるのってどんな気分なんだろう。妹が作家になるなんて、尾行相手と友達になるのって。現実味には欠けているが、その分ユーモアがあって読みやすかった。ナオタくんって結構いい奴だ。でもかわいそうな奴でもある。断れないタイプで、いいように振り回されて、でも怒るべきなのに怒りなど沸いてこない。損な役回りばかりで、ちょっと切ない。でも愛すべき奴だ。女運は今のところないけれど、仕事運は上がるかもしれない。なんたって、蟹座のB型だもん。おもしろかったです。

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