--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

08.03

「君に舞い降りる白」関口尚

君に舞い降りる白 (集英社文庫)君に舞い降りる白 (集英社文庫)
(2007/09/20)
関口 尚

商品詳細を見る

その女の子がうちの店にやって来たのは、冬真っ只中のことだ。けっして美人というタイプではなかったが、ついつい見とれてしまった。なぜなら、彼女の肌が透き通るほど白かったからだ。桜井修二は大学入学とともに東北に移り住んで二年が経つ。石を売るアルバイトをしている。鉱石を売る店。その名も〈石の花〉という。肌の白い女の子は、展示棚をひとつひとつ覗いて回った。そして、ときどきちらちらと修二のほうを窺い見る。「石、お好きなんですか」と修二のほうから声をかけてみた。

品評会の案内状を送ると言って、住所と名前を教えてもらった。彼女の名は藤沢雪衣。変わった女の子だ。けれども、かわいらしい子だった。しかも、いとおしげに見つめてくれたことで、少しだけ期待してしまった。また女の子を好きになれるんじゃないだろうか、なんて期待をだ。もう二度と恋などしないと誓ったはずなのに。雪衣は名前を呼んで欲しいと言い、次第に距離を縮めるふたり。しかし、彼女はプライベートに関わることを一切口にしなかった。だが、ついに彼女が隠していた秘密を知ってしまう。その時、修二は。

修二と雪衣の恋が縦軸なら、横軸は鉱石ショップ〈石の花〉で働いている人々の人生の転換にあると思う。かつて恋人の修二を手ひどく裏切って、心に深い傷を負わせた彩名。引け目を感じてしまうほどの美人だが、無遠慮で無神経で不躾な志帆。病的な窃盗癖が原因で、婚約相手から破談された安斎。公務員試験を目指している、優しくて頼りになる類家さん。大学四年生なのだが二十六歳で、きっと大学を卒業できないだろう金田。鉱物を売る店を開くのが長年の夢だった奥さんの要望で〈石の花〉を始め、その奥さんを十年前に亡くした社長。

みんなそれぞれに何か過去を抱えたまま、懸命に生きている。大小はあるが屈託を持っている。懺悔の気持ちを引きずっている。嫌な感じの態度を取る人でも、その人なりの理由を持っている。そういうのを少しずつ解きほぐしていく。そして、旅立っていく。彼らにとって〈石の花〉は通過点である。居心地が良くても、そこに留まることは許されない。自分の力で将来を切り開いていかなければならないからだ。でも、お客さんとしてなら、〈石の花〉は温かく迎えてくれるだろう。社長は優しい笑みを浮かべ、最高においしいコーヒーをいれてくれるだろう。〈石の花〉はそういうお店だから。面白かったです。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

関口尚
トラックバック(0)  コメント(2) 

Next |  Back

comments

恋愛小説なのに恋愛恋愛してなくて、登場人物それぞれの生き様がまたひとつの物語になっていて。
素直に良い小説でした。心に沁みました。
読後感の良さは今年一番でした。

あさと:2009/11/21(土) 23:16 | URL | [編集]

あさとさん、お久しぶりです。
ドロドロの恋は嫌だけど、ベタベタの甘さはいい。
でも、こういうさらっとした作品も読みたいですよね。
また、〈石の花〉というお店の雰囲気も最高でした。

関口尚さん、いいよね~!
お互いにコンプを目指しましょ♪

しんちゃん:2009/11/22(日) 22:36 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。