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    2009

08.10

「スタバトマーテル」近藤史恵

スタバトマーテル (中公文庫)スタバトマーテル (中公文庫)
(2004/06)
近藤 史恵

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声域、音量、声質。どれをとっても並外れているのに、コンクールや重要な演奏会になるとうまく歌えなくなる声楽家・りり子。プロになることをあきらめ、教員になることもなく、大学の音楽学科の事務員を五年も続けている。ようするに、往生際が悪かった。いつになったら、こんな自分を冷静に見られるのだろう。歌えない自分を。りり子の情緒不安定のひとつの原因が、西であることは間違いない。音楽教育を学びに大学院に行った昔の恋人が、ちゃっかり常勤講師になって戻ってくるなんて、嫌な偶然だ。西とは三度つきあって、三度別れた。

そんなりり子の歌をきっかけに、二人は出会った。四年前から大学の美術学科で特別講師をしている大地は、若くして国際的な評価を得た新鋭の銅版画家だが、母親なしでは作品を描けないという母親の傀儡芸術家。二人は一夜にして互いの距離を詰める。だが彼の母親はりり子に対して上辺は穏やかだが、すさまじい悪意を隠そうとしなかった。それと同時に、りり子の部屋に深夜の無言電話がかかってくるようになり、何者かに仕組まれて部屋に強姦男が押し入ってきた。りり子は、そんな危険があったと大地には告げず、いけないと思いつつ西を頼ってしまう。

大地には良くない噂が付きまとっていた。すごく熱を上げた女子学生がいたが、しばらくして精神に異常をきたして、精神病院に入院している。仲が良かった独身の若い女性講師は、交通事故でなくなっている。つきあっていた女性は駅の階段から突き落とされ、足をひきずったままになった。いずれも、大地とつきあっている女に、危険なことが起こった。りり子の身に起こった事件。そしてこれまでの事件、それらすべてはあの母親の差し金ではないのだろうか。息子を奪われまいとする母親の。

ふつうの人ならば、りり子に向けられた悪意にゾッとするのかもしれない。でも自分的には全然物足りなかった。もっと追いつめようよ、もっと危険にさらそうよ、精神的にも責めようよ、と。実際に傷を負わせろと言っているのではない。追い込み方が中途半端なのだ。身震いしないのだ。グッとこないのだ。さらなる過激さを要求してしまう自分って危ない奴なのか。

ミステリとしても想像はつきやすいが、ありだと思った。何故かと言うと、登場人物が少なすぎて、犯人として意外性のある人って絞込みやすいからだ。しかし、一種の狂気は読み応えがあったし、それにこういう理屈の通らない所有欲って理解はしがたいが、何となくありそうな気がした。切り捨て方にもほほ~となった。やはり自分は悪趣味なのでしょうか。後味の悪さも含めて、この作品の嫌な感じは好みだった。

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近藤史恵
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comments

スタバトマーテル・・悲しみの聖母 ですか。うmm
作者が、どういう意図でこの題名を選んだのか、ちょっと読んで考えてみたいですね^^)

きよりん:2009/08/11(火) 01:09 | URL | [編集]

きよりんさん
複雑な意味合いがあるのでしょうね。
聖母なんて一人も見当たりませんから^^;

しんちゃん:2009/08/12(水) 18:43 | URL | [編集]

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