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    2009

08.18

「星守る犬」村上たかし

星守る犬星守る犬
(2009/07)
村上 たかし

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「星守る犬」
林道わきの放置車両にて、男性のものと思われる遺体が発見された。足元には飼われていたと思われる犬の死体。鑑定の結果は、男性が死後一年から一年半、犬は死後三ヶ月。物語は、犬の「ぼく」の最初の記憶から始まる。箱の中でいっしょうけんめい鳴いていた。元気そうな女の子が、ぼくを抱き上げ、笑いながら走りだした。あたたかくていい匂い。ごしごしされて、ふわふわくるまれた。ミルクが甘くて、眠たくなった。ここにずっといられるのかな。そうだったらいいのに。

女の子はみくちゃん。ときどき遊んでくれた。毎日ごはんをくれたのはお母さん。散歩につれていってくれるのはいつもお父さん。こんなふうにして一日一日が過ぎていった。何年もすると、ずいぶん変わってしまう。みくちゃんはほとんど遊んでくれなくなった。ごはんもこの頃はお母さんじゃなくてお父さんがくれることが多い。でも散歩だけはいつもお父さん。持病をかかえて職を失ったお父さんは、お母さんに捨てられた。こうして、ぼくとお父さんの「たび」は始まった。海を左手に見ながらどんどん南へ。

「日輪草」
親がわりに育ててくれた祖父母が遺していったもの。風通しばかりの良い築58年の家と、裏庭を埋めつくす向日葵の花。そして1964年生まれのブルーバード。走らせすぎると壊れてしまうけれど、走らせないと調子が悪い。週に一度の図書館通いに走るぐらいが丁度良い骨董品。私にはこれでもう充分。さまざまな不都合なことを何とかするのがケースワーカーの仕事。あまり知られていないが、身元不明死体を引きとって弔うのもケースワーカーの仕事。林道わきの放置車両から、身元のわからない男性と、犬の死体が発見された。

祖母が死んでほどなく、祖父が一匹の子犬を連れて帰ってきた。祖父と二人きりになって生じた隙間を、犬は上手に埋めてくれた。なのに、私が犬をかわいがったのは最初だけ。すぐに他のことに興味が移って、犬はほったらかし。それでもたまに気まぐれで遊んでやると、それはもう気の毒なぐらい喜んで、ボールをくわえて待っていた。犬はいつだって待っている。調べれば男の身元がわかるかもしれない。翌日、私は走り出す。男と犬がやってきた道を逆に、海を右手に見ながら北へ。

とやかく言いません。泣けた。何度も泣けた。犬の無垢な表情だけで今でも泣ける。

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