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    2009

08.21

「旅するノラ猫」嵐山光三郎

旅するノラ猫旅するノラ猫
(2009/05)
嵐山 光三郎

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ノラ猫ノラの年齢は推定十五歳である。メス猫である。もとはマツモトさんちの飼い猫で、子猫を三匹産んだ。子猫の名は、サラ、タラ、リラという。子猫が生まれてしばらくすると、マツモトさんはノラだけを連れて、隣の町へ引っ越してしまった。三匹の子猫は、あちこちの家へ引き取られていった。ノラは、子猫が心配になり、もとの家まで戻ってきた。ところが子猫がいない。そこで、しかたなく、ノラ猫になった。

コオロギやトカゲを食べ、のらりくらりと暮らすうち、アラシさんが根負けして鯖の水煮缶をくれた。ノラは窓のすきまからアラシさんちに侵入し、座椅子の上でテレビを見るようになった。アラシさんが、スーパーからキャットフードを買ってくるようになった。ノラはアラシさんちとノラハウスを言ったりきたりして暮らしている。アラシさんの家の隣には、アソウさんというイラストレーターが住んでいる。アソウさんちには、トーちゃんという七歳のオス猫がいた。

トーちゃんは俳句に詳しい。ノラもアソウさんちのテレビで俳句歳時記の番組を見ているうちに、俳句に詳しくなった。猫俳句を開拓しよう。野良猫俳句会を略してノラハイ。猫界における芭蕉になって、広く猫文芸界に寄与する。トーちゃんはエヘンと胸をはった。そういわれると、ノラもその気になってきた。ノラが猫界の俳句宗匠となって名をなせば、名声をききつけて、行方不明の子猫が帰ってくるかもしれない。二匹は会うと句会を開くようになった。

ノラはやがて家猫のトーちゃんと別れ、捨て猫のボイシーと共に、サラちゃんのトラック食堂から、タローさんの長距離トラックに乗って旅に出る。たどり着いたのは松島の貴紀寺。そこで未亡人のリエ子さんと出会う。猫語が話せる人がいれば、人間に化けた猫もいる。猫どうしの会話はテレパシーであって、声を出してしゃべりあうわけではない。念力で話す。俳句は嗅覚で詠む。ネコケータイを駆使してメールを出す。なんともまったりとした摩訶不思議な猫の世界だ。

日常の何気ない一瞬を、ときには季節の移り変わりを感じながら、俳句を詠んでゆく。出会いがあれば、別れがある。別れがあれば、再会がある。そしてまた、猫たちは俳句に想いを乗せてゆく。なんて風流な猫たちなんだろう。その猫の世界観では、人間は猫の下位に属する動物で、猫に餌を奉納する係りなのである。人間が猫に餌を与えるのは、天がそう命じたからで、当然の行為である。いちいち人間に礼をいう必要はない。なんてふてぶてしい奴らだ。そんなことを言ってると、今晩のメシは抜きだ。

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