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    2009

08.29

「八月の路上に捨てる」伊藤たかみ

八月の路上に捨てる八月の路上に捨てる
(2006/08/26)
伊藤 たかみ

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自動販売機天国と言われるほど、この国ではあらゆる場所で清涼飲料水を売っている。敦は自動販売機へ商品を補充するルート配送のアシスタントのアルバイトをしている。そして三十歳の誕生日を迎える明日、離婚届を提出する予定だ。コンビを組んでいる水城さんは、この日でトラックを降りることになっている。昔、余計なことを彼女に訊いてしまったときから、敦は自分のことを包み隠さず話すようにしている。八月の熱い夏、自動販売機の補充に回る車内で水城さんに結婚生活の顛末を話して聞かせる。

遠慮なく、核心を衝いてくる水城さんの言葉は、慰めるでも、責めるものでもない。彼女の離婚後の話は敦もよく知っている。無口な夫を捨て、別の男と子供二人、共に暮らし始めた。ところがすぐに上手くいかなくなった。前夫からは養育費をもらっていなかったので、結果、トラックに乗るようになったのだ。二人の沈黙の間に、敦は駄目になって行く夫婦の時間を回想していく。妻の知恵子との出会い、唐突だった結婚、どうにもならない夢にしがみ付いている自分、潰れて行く知恵子、寂しさを埋め合うように出逢った愛人。そして…。

一度ボタンを掛け違ったらダメになる場合もあれば、小さな棘を積み重ねる内に気付けば修復不可能なくらいに溝が深まっている場合もある。本書の場合は、両方が同時に起こってしまったのか。離婚の原因なんて一言では決して言い表せない。ましてや、自分には離婚どころか、結婚生活の経験もないので分からない。でも敦自身は結婚生活が上手くいかないと察していたのではないのか。どこか不愉快だとボタンの掛け違いを認識しているのに、女に引きずられて焼けっぱちで籍を入れていた。

男として弱さの目立つ敦。徐々に壊れて鬱になっていく妻。この二人ははっきり言ってしんどい。離婚に至るまでの描写だから、当然どろどろとしている。そんな中で、聞き手である水城さんの豪放さや達観に救われたように思った。敦が八月の路上に捨てたものとは、結婚生活だったのか、脚本家の夢をふっきることだったのか。その一方で、同時収録されている「貝からみる風景」は、対照的なほど、ほのぼのとしており、こちらの方が断然好きだった。

そこで、ふと思った。終わる結婚生活を回想しない。敦と水城さんで自動販売機へ商品の補充をするルート配送の一日でも良かったのではないかと。こちらの方がより文学っぽい。伊藤たかみさんは結構読んでいる作家だが、芥川賞受賞作は、やはり自分にとって鬼門だった。面白いと素直に喜べる作品と出会ったためしがない。文学って何だろう。伊藤たかみさんに思うことは、また「ミカ!」を書いて欲しい。そう思うのは自分だけでしょうか。

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伊藤たかみ
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comments

あたしは、この作品けっこう好きです♪
(* ̄∇ ̄*)

http://tsutamaru.cocolog-nifty.com/blog/cat14061633/index.html

つたまる:2009/09/05(土) 01:57 | URL | [編集]

つたさん
自分の場合、心に響いてこなかったです。
もっと黒かったら逆にイケるのに^^;

しんちゃん:2009/09/08(火) 17:51 | URL | [編集]

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