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    2009

09.10

「4つの初めての物語」さとうまきこ

4つの初めての物語 (ピュアフル文庫)4つの初めての物語 (ピュアフル文庫)
(2008/01/10)
さとう まきこ

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キーワードは、初めての冒険。同じクラスの小学六年生4人がそれぞれの場所で体験する初めての出来事。「初めてのブラジャー 綾子の場合」では、だれにも内緒でブラジャーを買いにいく。胸がどきどきした。だれにも会いませんように。そればっかり、呪文のようにくりかえしていた。苦労して買ったブラジャーは、サイズが大きすぎた。隠していたら、母親に見つけられ、父親だけでなく、友達のお母さんにまでばらされる。そうして、恥ずかしさから泣きさけんだ綾子は、親に対する苛立ちを覚える。

まさか、自分のお父さんがバツイチだなんて。しかも、子どもが、お兄さんがいたなんて。明日、家に来るのは「初めてのお兄さん 真理奈の場合」。頭の中が真っ白になった。でも雄介に臆病者だと思われるのは、絶対にいやだった。親友に誘われてする「初めてのチャリパク 省吾の場合」。ぽつんと古びた二階建ての家が、見捨てられたように残されていた。この空き家を、オレたちのかくれ家にしたらどうかな。仲間だけで手に入れた「初めてのマイホーム 亮平の場合」。

主人公の小学六年生の男子と女子は、成長期の初期段階ともいえる年代を迎えている。体育の授業で着替えることが苦痛だ。友達に弱いところを見せたくない。口うるさい母親が面倒臭い。親は年の離れた妹ばかりひいきする。自由が欲しい。要するにお年頃ってやつだ。むずかしい時期だ。しかし、誰もが身に覚えのあることではないだろうか。同じことを経験してきたはずだ。彼らが抱えている問題自体は、今となってはどうってことはない。でも、当時は人生の一大事で、くやしくて、頭にきて、振り上げた拳のやり場がなくて、涙がでそうになったと思う。

ちょっと前なら、これが当たり前だった。今の子って、基地作りの経験はあるのだろうか。チャリに乗って遠出する楽しさを知っているのか。わくわくドキドキするようなことを経験しているのだろうか。だが、外で自由に遊べる場所がなくなり、ランドセルには防犯ブザーをぶらさげて、放課後は友達とゲームをして、塾通いの小学生は携帯を持ち、あらゆる情報はネットに氾濫し、出会い系サイトや援助交際に手を出す子もいるという。そして、みんなと合わせることが出来ないと、ハズされる。それといやにドライな子が増えた。書き出しただけで、全然楽しそうじゃない。

でもだからこそ、シビアな問題を抱えているのかも知れない。それと関係があるのか分からないが、一人で電車に乗っている顔色の悪いメガネっ子をよく見かける。首に定期券をぶらさげ、かわいそうだと思うが、全然かわいくない。子どもに責任があるわけではなく、みんな親のエゴなんだろうけど。そういう点でいえば、本書は健全な部類にはいるだろう。今の子はどう思うか判断できないが、昭和生まれには郷愁を誘う風景がここにはあった。子どもたち、がんばれ。

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