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    2009

09.13

「天山の巫女ソニン(五)」菅野雪虫

天山の巫女ソニン(5) 大地の翼天山の巫女ソニン(5) 大地の翼
(2009/06/27)
菅野 雪虫

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天山で育てられたソニンは、十二歳の春に落ちこぼれの巫女と言いわたされ、里に帰された。温かい家族のもとでソニンは普通の娘としての生活を始めるが、沙維の末王子イウォルの落し物を届けたことから、城で働くことになった。生まれつき口がきけない王子の手に触れると、その「声」が聞こえたからだ。ソニンがイウォル王子の侍女となってからは、沙維の二つの隣国、江南の民に絶大な人気のある第二王子クワン、巨山の王の一人娘イェラ王女とも関わりを持つことになり、何故か気に入られた。

ほんの二年前まで戦をしていた巨山と江南だが、イェラ王女の江南訪問以来、二つの国に平和がおとずれているのはいいことに違いないのだが、江南でイェラ王女の評判がよくなるのと平行して、沙維の人気が落ちていた。それと平行して沙維でも、江南の人々に対する不信感のようなものが芽生え始めていた。恩知らずな国だ。こちらが援軍を送らなければ、巨山に制服されていたくせに。援助をもらって、かつての敵に尻尾を振っている。城の人々や鶴亀亭の客たちがそんな話をするのを、ソニンは何度も聞いていた。

江南は王妃とキノ一族が富を独占し、人望あるクワンは軽んじられている。イェラの立場も複雑だ。国の方針とは別に確固たる自分なりの考えがあり、今や他国では父王と並ぶほどの影響力を持ちながら、本国ではあくまで王の娘でしかない。片や沙維の兄王子たちは最近仲が悪い。そんな最中、イェラが沙維を訪問。帰国間際に、ソニンに向かってこう告げた。次に兵を挙げるのは冬だ。イェラの残した言葉は真実だった。三つの国の王子や王女は戦など望んでいないというのに、沙維は巨山だけでなく江南を加えた二つの国と闘うことになった。

これで「天山の巫女ソニン」は完結。三国それぞれに膿があって、それがこの最終巻で一度に吹き出てくる。それも戦争という形でだ。戦は避けたい。だが起こってしまった。三つの国の王子や王女は、被害を最小限に抑えようと各々奔走する。腹黒かったあの人たちが成長している。それがなんとも格好いい。それとイルギが語っていた「七割の法則」が印象的だった。人間のうち七割は流されやすい。まわりの動きや噂、自分の欲に流される。残りの三割の人は、それはおかしいと思っている。でも、三割の人も、自分たちの倍以上もいる七割の人たちに、口出しすることが出来ない。まるで日本人に対する警告だ。

シリーズの途中では、残念ながらぼやけてしまったところもあったけれど、ソニンをはじめとした主要な人物たちの成長に喝采をあげたい。そして、自分の目で見て、自分の頭で考え、せめて三割の人になれるよう頑張りたいと思う。次回作では、児童書の壁を越えた作品にもチャレンジして欲しいと期待する。とりあえず大長編の完結お疲れさま。

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菅野雪虫
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