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    2009

09.17

「ここに消えない会話がある」山崎ナオコーラ

ここに消えない会話があるここに消えない会話がある
(2009/07/24)
山崎ナオコーラ

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夕日テレビ班は、六人になった。二十七歳の津留崎と魚住、二十六歳の別所、二十五歳の広田と岸と佐々木だ。それぞれ、局ごとにラテ欄を作る。新聞によって、大きさが異なるので、何パターンか作る。それを、各新聞者に配信する。番組表を作るのが仕事だ。一応、新聞に載る文章なので、間違いが起こると、大変なことになる。漢字の間違い、おかしな表現、差別用語、規定外のカタカナ表記などが交じらないよう、みんなで何度も確認してから、新聞社へ送るのだ。ラテ欄の部署は若年労働者がひしめいていて、その中で、なぜかリーダー役を二十五歳の佐々木が担っている。肩書があるのではなくて、雰囲気としてのリーダーだ。

入社四年目の別所は、各班を転々としたあとに、夕日テレビ班に半年前に来たばかりだ。五年目の魚住さんは仕事がすごくできる人だが、毎日ものすごく遅刻をしてくる。二年目の広田も岸も、立場をわきまえているので、自分から何か意見を言うことは皆無で、佐々木の言う通りに仕事をしていた。入ったばかりの津留崎は、魚住と並んで一番年上で、しかも美人であるのにもかかわらず、一番下っ端であるかのように、こつこつと仕事をしている。入社三年目の佐々木は弁が立ち、クレバーであったが、仕事好きが過ぎて帰りたがらず、そのせいで、夕日テレビ班は、他局の班に比べ、ずば抜けて帰りの遅い班になっていた。

家族でもなく、友人でもなく、恋人でもない。それぞれの意志など関係なく、たまたま集まった男性四人、女性二人の職場の同僚たち。こうやって私たちは新聞のラテ欄を作っているわけですが、広田さんは新聞をとっていますか? 僕は、三紙とっています。なんか、新聞の販売店の人がよく来るんですよ。いりませんって言えなくて、それで、新聞の人が、洗剤をたくさんくれるから、うちには洗剤もたくさんあるんです。そこに人々が集まる限り、会話が生まれる。他愛のないやり取りが、泡のように生まれ続ける。彼らは仕事仲間として会話を交わし笑いあう。事件や大恋愛は起きない。しかし、このふつうが何より心地良い。

同時収録の「ああ、懐かしの肌色クレヨン」は、切なくも優しいショートストーリー。鈴木は、パン工場で働いている。工場長、同僚、周りの人にものすごく良くしてもらっているのに、ずっしりと寂しさを浴びている。鈴木はこの年まで、男からぎゅっと手を握ってもらったことがない。お遊戯のときも、フォークダンスのときも、男の子はやんわりとした握り方をしてきた。山田さんは三十二歳の男の人で、鈴木の入社時から、何かと世話を焼いてくれた。仕事も教えてくれたし、休み時間になると雑談をしかけてきたり、からかってきたりしてくれる。その山田さんは三ヵ月後に工場を辞めるという。ずっと好きだった山田さんの退職前、最初で最後の二人きりのデートで、鈴木は自分の気持ちを口にする。


山崎ナオコーラさんのサイン。

山崎ナオコーラ2

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