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    2009

09.19

「ダブル・ジョーカー」柳広司

ダブル・ジョーカーダブル・ジョーカー
(2009/08/25)
柳 広司

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風戸中佐は、陸軍参謀本部から極秘の呼び出しを受けた。風戸は陸軍内における秘密機関の必要性を説いていた。わが帝国陸軍内には、秘密諜報員養成所並びに秘密諜報機関がすでに存在している。陸軍ナンバー2である阿久津中将は、前置きもなく、直截にそう言った。通称〈D機関〉。実質的には発案者である結城中佐が一人で立ち上げた。それゆえに極めて独立性、機密性の高い組織である。だがD機関は軍の外の者たちを従事させている日本陸軍の鬼子であった。風戸は直ちに上層部の肝煎りで、通称〈風機関〉を設立した。風戸の脳裏に、阿久津中将の言葉が浮かんでいた。ダブル・ジョーカーを使うつもりはない。風機関か、D機関。どちらか一方が不要になるということだ「ダブル・ジョーカー」

表題作ほか、亡き兄の共産主義思想を継ぐべく自らモスクワのスパイとなった脇坂と、笑わぬ男の暗号名を持つスパイ・ハンターが暗躍する「蝉の王」、ハノイに赴任している民間人の通信士・高林は、暴漢から救ってくれた軍関係者を名乗る長瀬から極秘の任務を引き受けることになる「仏印作戦」、ナチス政権下のドイツで対外防諜活動を担当するヴォルフ大佐は、列車事故で亡くなった日本人から、長年追い求めてきたある男と同じ匂いを嗅いだ。二十二年前、魔術師のコードネームで暗躍したスパイ時代の結城を描く「柩」、中根はアメリカ西海岸で協力者の組織を網の目のように張り巡らせる。そこに東海岸の情報を持って接触場所に現れたのは腹違いの兄だった「ブラックバード」など、全五編を収録。

前作「ジョーカー・ゲーム」は、これは傑作と世間で高評価が溢れる中、イマイチという烙印を捺してしまった。それは単に格好良すぎたことが原因だ。スタイリッシュなスパイの活躍に胸躍らせることなく、それをマンガっぽく感じてしまい、リアル感をまったく得られなかったからだ。隙のなさや出来すぎに、上手く乗ることができずにいた。それが第二作となる本書では、完璧すぎるD機関の視点ではなく、その裏側から、敗者となる側の目線で物事を見ることになるので、より人間らしさが伝わる作品になっていた。ぎゃふんと言わせるつもりが、ぎゃふんと言わされる。最初から騙しあいに勝利すると分かっているより、こちらの方が面白い。そう思うのは少数派意見でしょうか。

最終話で日本軍が真珠湾に奇襲攻撃を仕掛ける。これは同時にスパイ活動停止を意味している。戦争が始まれば、スパイが見えない存在であり続けることは不可能だからだ。その後の経過は日本人の皆が知っている。そこはあえて触れない。だが焼け野原となった戦後の復興は以外にもはやい。生き残った結城中佐率いるD機関の見えない気づかない活躍があったのではないか。それに負けっぱなしはD機関らしくない。敗戦のどん底の中でも、GHQを相手に戦っていると思いたい。はたして第三弾はあるのか。一読者としてはある方に期待したい。

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comments

こんばんわ。
前作は確かに少女マンガっぽく感じましたね。
シュッとし過ぎているというか。
私も今回の方が深みがあってバラエティーに富んでいて良かった気がします。
第三弾、読みたいですね♪

ia.:2009/10/16(金) 22:34 | URL | [編集]

ia.さん、お返事が遅くなりました。
かわいらしい出来過ぎはけっこう好きです。
でも完璧すぎる出来過ぎは白々しくって、自分の中で「ありえん」とツッコミ連発でした。
今回は人間らしさがありつつ、それでもこちらの方がスタイリッシュのように思いました。

しんちゃん:2009/10/19(月) 21:56 | URL | [編集]

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