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    2009

09.22

「あした咲く蕾」朱川湊人

あした咲く蕾あした咲く蕾
(2009/08)
朱川 湊人

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僕の家に、母の妹がやって来た。二十五歳の美人だ。けれど口を開けばバリバリの関西弁で、のべつまくなしに煙草を吸い、何かにつけて人の神経を逆撫でることを言うのが好きだった。それでも彼女は天使なのだ。美知恵おばさんの不思議な才能。それは僕と母しか知らない秘密。おばさんは自分の“命”を分けてあげることができる人だった。人は誰でも、自分の命を人にあげられたら……と思う時がある。実際にできないからこそ、それを口に出したりする。けれど、おばさんのように、実際にできる力を持っていたら。「あした咲く蕾」

ほかに、雨が降った時だけ、人の寂しさの声が聞こえてくる超能力を持った少女「雨つぶ通信」、その中華料理屋の中華鍋は、人に元気を与える魔法の料理を作る「カンカン軒怪異譚」、この世で一度も会う機会の持てなかった親子は、不思議な形で合わせてもらえるのかもしれない「空のひと」、十歳の夏に彼女がいなければ、きっと氷のような心を持つ人間になっていただろう「虹とのら犬」、退院してから一月もしないうちに、母は奇妙な人変わりをしていた「湯呑の月」、フカシマンの異名を取った彼が、絶対にウソだと思われたくないと親友の私にまで秘密にしていた思い出「花、散ったあと」など、ファンタジックで心暖まる全七編を収録。

別れを根底に据えた作品群だが、読後感の良い作品ばかりだ。自分だけのものにしたかったおばさん、元気をくれた中華料理店の女主人、永遠に愛しているといっておきながら、さっさと逝ってしまった彼、孤独で蔑まれていた自分との訣別、どんな時でも見守ってくれた大好きなおばちゃま、兄弟同然に育ってきた幼なじみ。ふつう別れでイメージするのは、切なさや消失感だと思う。だけど朱川湊人の手に掛かれば、悲しさを一切感じさせず、生前のその人のほがらかな人柄が伝わってくる物語になっているのだ。そして主人公たちは別れを経験し成長してゆく。佳作です。

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朱川湊人
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comments

こんにちは。
近いタイミングで読んでいたみたいなので、トラックバックさせていただきました☆

いつも詳細なあらすじなど、参考にさせてもらってます~。

サイン本コレクションがとてもうらやましい!

鳩羽:2009/09/22(火) 23:48 | URL | [編集]

鳩羽さん、こんばんは。
忘れっぽい人なので備忘録にしています。
たまに書きすぎたかな~、と反省もしたり^^;
増え続ける本の収納には困っています(爆)

しんちゃん:2009/09/23(水) 20:36 | URL | [編集]

別れを根底に捉えた作品。
たしかにそうですね。
まったく感じさせない、一つずつ読み終わると幸せな気持ちになれる物語でしたね。

なな:2009/10/01(木) 20:45 | URL | [編集]

ななさん
別れを通してひとつ成長する。
前向きなところが好印象でした。
記憶に残らないかもしれませんが
けっこういい話だと思いました。

しんちゃん:2009/10/01(木) 23:00 | URL | [編集]

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あした咲く蕾 〔朱川 湊人〕


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