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    2009

09.30

「左京区七夕通東入ル」瀧羽麻子

左京区七夕通東入ル左京区七夕通東入ル
(2009/07/23)
瀧羽 麻子

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七月七日にわたしたちは出会った。京都での学生生活も四年目。合コン、どう? 帰国子女でミッション系の女子大に在籍する友人のアリサから、代打を探していると合コンに誘われる。合コンは、七時から三条木屋町の居酒屋で行われた。ひとり遅れて現れた男子は、いかにも数あわせというのが明らかな、やる気のなさだった。花です。龍彦です。たっくんて呼んでいい? ひとめぼれというわけではなかった。でも、ひとつだけ確かなことがある。わたしはたっくんにめぐりあった。

文学部の花にとって数学嫌いの歴史は長い。発端は十年以上も前、まだそれを算数と呼んでいた頃にまでさかのぼる。数学嫌いの花にとって、理学部数学科のたっくんは謎に満ちていた。また彼の暮らす学生寮の友人たち、バイオを研究しているアンドウくん、爆薬専攻のヤマネくんという理系男子と知り合い、タコパ、花火、学祭など、花は文学部ではこれまで経験しなかったにぎやかなキャンパスライフを送ることになる。

どうしてこのひとなんだろうと思う。客観的に見て、異性にもてはやされるタイプとはいえそうにない。目を引くような美男ではないし、話がものすごく面白いわけでも、ことさら気がきくわけでもない。世間一般はさておき、わたしを惹きつけるということにしぼってみても、あまり思い当たる理由はない。しかも、食事も睡眠も極限まで削って数学に没頭するのが普通だとも、その結果体調をくずしてしまうのが別にたいしたことでないとも、その別次元に生きる彼の世界のへだたりが花を苦しめる。

児童書やYAの延長にあるような作品。登場人物たちがとにかくかわいくて、素敵な先輩たちが登場して、自分の決めた将来にちょっぴり不安を感じ、恋に心がときめくと同時に揺れる乙女心が瑞々しい。でも、じっくりと思い返すと、主人公の花は、ちょっと好きになれないタイプだった。交友関係の広さを大事にする余り、付き合っている彼氏をないがしろにして、自分にやましいことがないと反発して、喧嘩別れをしている。そんな考えでは、喧嘩になるのは当たり前。本当の恋をしていないのだから。

そんな彼女が始めて恋をした。自転車の二人乗りデートにわくわくドキドキ。女の影に一喜一憂し、彼が本当のことを打ち明けてくれないことに一途に悩む。そしてたかが数学に負けそうになる。自分自身で壁を作って、いい感じに苦しんでいる。でも周りにいる人の後押しもあって、結局は予定していた場所に落ち着く。甘酸っぱくて爽やか。これぞ青春という感じのハッピーエンドが好きな人には好まれるだろう。ただひとつ。たぶん著者は真面目な方なのでしょう。個人的な要望をいえば、学生らしくもう少し無茶をするぐらいの遊び心が欲しかった。

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瀧羽麻子
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comments

こんばんは。

なんだかさらりと読めて、楽しい物語でしたね。
しんちゃんも瀧羽さん、追っていますね。

しんちゃんは学生時代、無茶したタイプだったんですね(笑)

なな:2009/10/01(木) 20:39 | URL | [編集]

ななさん、こんばんは。
熱意ないまま期待を込めて追ってます。
でもあっさりが続いてなんだかな~。

花火攻撃ぐらいでは満足できないっす。
もっと無茶があるでしょ、とご不満でした。
でも、おいらの無茶は言えませんぜ^^;

しんちゃん:2009/10/01(木) 22:54 | URL | [編集]

★ こんばんわ

私にとって、とてもうらやましい世界でした。
花ちゃんも気に入りました。

やまけん(肩の力を抜いて):2010/02/19(金) 00:26 | URL | [編集]

やまけんさん、こんばんは。
花ちゃんにグッとなれたら楽しいでしょうね。
ただ、自分にとっては第一印象が悪すぎました。
でも作品自体はかわいくてメルヘンでした。

しんちゃん:2010/02/20(土) 22:06 | URL | [編集]

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