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    2009

10.12

「首挽村の殺人」大村友貴美

首挽村の殺人首挽村の殺人
(2007/07)
大村 友貴美

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鷲尻村は岩手県と秋田県境に位置し、雪が多いのは奥羽山脈の麓に村があるせいだ。その九十パーセント以上が山で、わずかな平地に人家が密集していた。北国の山谷に囲まれた自然条件の厳しい土地ゆえに、昔は狩りで生活するしか自活の方法がなかった。だが村で昔ながらのマタギは少なくなり、現役なのは村でひとりだけだという。無医村の状態が続いていたこの村に、東京からの待望の医師・滝本志門がやってきた。滝本は、昔マタギ宿をしていたという桜田家で下宿をすることになる。

しかし、滝本の着任以後、村では謎の変死が立て続けに起こる。第一の被害者は雪に埋もれて熊捕り用のワナにはまって圧死していた。第二の被害者は橋の欄干に首を吊るされた状態で発見された。第三の被害者は熊に殺されたように偽装されて殺されていた。第四の被害者は滝に逆さ吊りのまま氷柱の一部と化していた。どのケースも異様な死、非業の最期。それは、殺害後の遺体を異様な形で人目に触れさせるという、前代未聞の連続猟奇殺人事件だった。そして赤熊と呼ばれる二メートルは超える巨大な人食い熊が暴れている。

診療所は丸々二年の間閉鎖状態だった。前任の杉聡一郎は村人にとっては神さまだった。杉がまもなく結婚し、ここに新居を構えると聞いて、村人はそのまま定住してくれることを期待した。しかし、赴任して五ヶ月で杉は不慮の転落死を遂げていた。その死に不審はありながらも、死因は事故として処理されていた。この村が「首挽村」という不吉な名前で呼ばれる理由とは?村人すら忘れかけていた忌まわしい過去が、事件の真相を浮かび上がらせる――。

書店で「霧の塔の殺人」という作品に目が行き、それが本書の第三作目にあたることを知った。そこでまずは順番通りこちらから読むことにした。過疎や少子高齢化、無医村や町村合併など、寒村が抱えているであろう深刻な問題と、昔から語り継がれた土俗的な村の歴史がからみあい、人の足が二本とも雪の中から突き出るなど、遺体の異様な発見からして、横溝正史ミステリ大賞らしい作品だった。

ただ描写不足が至るところにあって、この横溝風の世界にどっぷり浸かるということはなかった。連続殺人と人食い熊が混同するわりに、明確な探偵役がいないこともあって、時系列や事件の整理がなされず、とにかく区切りが悪い。それと語り部と場面が終始変わるので、視野が分散しすぎて集中しづらい。また多くの人物が登場するのだが、個性が欠けているためか、人物を把握しにくいという難点もあった。それに謎解きも後付のような印象があり、見立て殺人にした理由や必然性も思ったより薄い。

これらは書き慣れることで解消されることだが、一冊の本になったという作品の評価でいえば、厳しいようだがまだまだ。二作目以降では、本書にも登場した藤田警部補が探偵役になっているようで、それだけでも本書よりはマシになっているだろうと予想する。次回作に期待してもいいのかな。でも現時点では、すぐにでも読みたいと思わせる何かがここにはなかった。今、自分の中で民俗学ミステリがブームなだけに残念である。

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