--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

10.15

「プラスチック・ラブ」樋口有介

プラスチック・ラブ (創元推理文庫)プラスチック・ラブ (創元推理文庫)
(2009/06/20)
樋口 有介

商品詳細を見る

明日から冬休み。高校二年生の木村時郎は、久々に会った中学の同級生である南生子から頼み事を持ちかけられた。同じく同級生だった水江が義理の父親と折り合いが悪く、家を出て、学校へも行かなくなって、ライブハウスで知り合った男と同棲を始めて、自分でもそのうちパンクのロッカーになるというのだ。水江と会い、家に戻り高校にも行くように言って欲しいというのだ。「雪のふる前の日は」

五月の連休が終わった春。つき合っている糸織から相談される時郎。彼女の父親の不倫が発覚し、それにより離婚した母親と新潟に引越すことになりそうであること。不倫相手の女に興味があると聞かされても、時郎の心は動かない。そのとき時郎は、いつまでも花壇の白い花を見つめている年上女性のことを考えていた。以前どこかで会っているはずなのに、場所と日にちが、どうしても思い出せなかった。「春はいつも」

庭の紫陽花が咲いた。親父の浮気をきっかけにお袋が家を出て行ってから一ヶ月。妹の令子が学校へ行かなくなってから、もう二週間がすぎていた。釉香とは高校は別になったが、中学まではずっと同じ学校にかよっていた。同じく同級だった吉田の様子がおかしくなったので会って欲しいという。つき合ったわけではなく、二度だけデートをした釉香につきまとうようになり、その上、下着を盗んだという。「川トンボ」

夏が最後の意地を見せる。玲香さんが意図的にいなくなった。バンドができたきっかけは、吉野さんがアルバイトをしていたスナックに玲香さんが客に来て、そこで話が決まったという。夏帆のお兄さんが吉野さんと同級生だったことから夏帆が入り、その夏帆の命令で仕方なく、時郎がメンバーに加わった。考えてみたら、玲香さんのことは、なにも知らなかった。時郎は夏帆とともに、失踪した玲香さんを探す。「ヴォーカル」

もう夏休みも終わり。祖父の家にはすでに叔母が来ていた。音葉は同じ高校二年生らしいが、なぜか時郎の、叔母さんだという。祖父の娘がお袋。そして祖父の無茶が、お袋と音葉を、母親違いの姉妹にした。お袋は失踪した祖父を許さず、病院から連絡があったときも、無難だからいうだけの理由で時郎が派遣された。音葉も経緯は似たようなものだろう。その家を辞した後、祖父について、叔母と甥は語り合う。「夏色流し」

吹く風には冬の匂いが混じっている。貴代の葬儀や法要に関係なく、真弓に会うなんて、時郎は思ってもいなかった。中学のとき五人グループでよく遊んだ貴代は、その日に知り合った男のバイクに乗り、そのバイクが転倒して投げ出され、対向車線を走ってきたタクシーに轢かれた。死んだのは貴代だけだという。事故を起こしたのがプロのライダーということに不審感をもった時郎は、真弓とともに、事故について探り始める。「団子坂」

枯れた公孫樹の葉がふりそそぐ。中学で同級生だった竹田寛子がラブホテルで絞殺されているのが発見された。中学以来二年間つき合い続けている美波から事件を知った時郎は、かつて一度だけデートをしたことがある寛子が、なにをやっていたのか気にかかり、彼女の高校の同級生を訪ねる。すると寛子は、彼氏との関係をプラスチック・ラブと答えていた。その帰り、時郎は事件を調査している柚木草平と出会う。「プラスチック・ラブ」

山茶花は蕾。明確に喧嘩をしたわけではないけれど、ここ三ヶ月、時郎と里菜子はデートをしなくなっていた。そのあいだに、里菜子の親父は不倫相手の元に去り、お袋がヒステリーを起こし、茶髪に染めた里菜子は知らないオヤジと話をして五千円を巻きあげ、彼女の妹はアルパカを家で飼うまでは学校に行かないと言いだした。時郎はアルパカを諦めるよう、妹を説得することになった。「クリスマスの前の日には」


時系列はばらばらだけど、時郎はどれだけの恋をしているのだ。まったくもって羨ましすぎる。しかも、各編の女子のタイプがすべて違う。これは著者の樋口氏による男性読者へのサービスなのか。個人的には、スポーツ少女の美波ちゃんが好みだった。それと強気な夏帆ちゃん。樋口作品の青春ミステリには、こういう楽しみ方もあるのだ。男子だけに限らず、女子にしても、女の子って好きでしょ。

そういう彼女たちから見た主人公の時郎は、薄情、いい加減な性格、つかれる生き方、面倒くさい、鈍感、陰険、ネクラ、傲慢、生意気、屈折する、気難しい、協調性がない、etcなど、散々な言われぶりだが、ちょっと老成した感じで斜めに構えてはいるが、基本的に憎めない奴だ。この主人公とヒロインが織り成す会話がとにかく楽しい。毎度毎度同じだという人もいるかもしれないが、これが樋口作品。読者の期待するところも、そこにあるのだ。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

樋口有介
トラックバック(1)  コメント(2) 

Next |  Back

comments

こんにちは。
樋口作品は、その「毎度毎度同じ」ところもいいんだと思います。
主人公とヒロインとの会話とかは特にそう思います。
少しはバリエーションをとも思いますが、基本的には同じものを求めて次々に読んでいる感じです。

TBさせていただきました。よろしくお願いします。

shiba_moto:2009/10/22(木) 11:57 | URL | [編集]

shiba_さん、こんにちは。
この決まったカタチがいいですよね。
違うものを読みたければ、他の作家がいるし。
樋口さんはコレです(笑)

しんちゃん:2009/10/24(土) 11:21 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

[review]樋口有介『プラスチック・ラブ』


 帰り道、駅前に中学の同級生南生子がいた。南生子から声をかけられ話を聞くと、やはり同級生だった水江が家庭内のいざこざで家出をし、このまま学校もやめるつもりなのだという。水江を心配する南生子は、水江が家と学校に戻るよう、説得してほしいと言うのだ・・・(「雪

2009/10/22(木) 11:57 | こんな夜だから本を読もう

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。