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    2009

10.30

「狩眼」福田栄一

狩眼 (講談社ノベルス)狩眼 (講談社ノベルス)
(2009/09/08)
福田 栄一

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多摩川沿いの河川敷で死体が発見された。死体の身元は、世田谷区在住の野田孝良という医師。野田は死体で発見される四日前から行方不明になっていた。野田の死因は、鈍器による後頭部の打撲傷だったが、実際は頭部を滅多打ちにされていて頭蓋骨の原形をとどめていないほどの惨状となっていた。そして、この事件を奇異なものにしているのは、殺害後に犯人が死体の両目を刳り抜いているという点だった。

捜査本部の一員である若手刑事の伊瀬巡査部長は、所轄の南多摩署刑事課の同僚である杉内と共に、地取り捜査を担当していたが、何一つ有力な情報を得ていなかった。死体発見から二週間が経過しようとしている現在、捜査は完全な行き詰まりを見せていた。そんな中、伊勢は刑事課長の水野から今の担当を外れて、別の役割を与えられた。それは警視庁本部からきた戸垣巡査部長と組んだ、独自の“調査”だった。

戸垣は捜査本部の方針から逸脱した行動を取る。執拗に単独捜査へのこだわりを見せ、擁護者である水野にさえ情報を隠そうとする。伊勢は戸垣の捜査方針について意見するような真似はやめた。ただ、それは表向きだけのことであって、実際に唯々諾々と従うつもりはなかった。確かに、伊勢は戸垣の捜査姿勢に対して畏敬の念を抱くようになったが、それ以上に、水野課長に対する尊敬と信頼の力の方が強かったからだ。

福田栄一さんと言えば、ユーモアのあるパズラー小説の書き手だ。それが今回は真っ向から刑事小説に取り組んだ、というのが本書。まずは犯人に襲われる被害者の目線で始まり、本編では変人刑事に振り回される若手刑事という図で展開し、そこに白内障を患ったOLや深夜の倉庫番をする男の目線が加わり、中々捜査が進展しない捜査本部を他所に、ベテランと若手のコンビは少しずつ犯人に近づいてゆく。ところが、意見がわかれて唐突にコンビを解消。そこからが著者の真骨頂であるパズラーぶりが発揮されるのだ。

犯人はこいつだろう、と思わせては、ひっくりかえし、ようやく事件は解決か、でも残りのページ数はまだまだあるぞ、と思っていたら、またまたひっくりかえり、そして最後には意外な人物が浮上して…。著者にすれば、この謎の人物は王道なのかもしれない。しかし、一読者にとっては、思いもよらない展開だった。それともう一つ。いくら意味深であっても、プロローグとはそういうものだと読み飛ばしがちだ。そこにもひっかけがあって…。

やられました。少し読後感は悪いですが安心して読めると思います。ただ、刑事ものに重厚さを求める方には軽いかもしれません。でも、おっと驚く仕掛けは中々のものがあり、意外性も楽しめる作品でした。まだまだ名前の知られていない作家ですが、デビュー作からずっと注目しています。これからも読み続けたい作家だと、追いかけていきたい作家だと思っています。大きくなあれ。大好きな作家です。

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福田栄一
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(書評)狩眼


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2009/10/30(金) 20:57 | 新・たこの感想文

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