--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

11.16

「凍土の密約」今野敏

凍土の密約凍土の密約
(2009/09/12)
今野 敏

商品詳細を見る

警視庁公安部外事一課に所属する倉島達夫は、登庁したときにはまず、自販機のコーヒーを飲む。明日は、もう味わうことなどできないかもしれない。それが公安の仕事だ。そう腹をくくったときから、朝のコーヒーは、倉島にとって神聖な儀式となっていた。その日、上田係長からなぜか特捜本部に行くように命じられた。警備企画課は、倉島を名指しだったという。ゼロというのは、警視庁の警備企画課内にある情報集約のための組織だ。かつて、ゼロは、サクラ、その後はチヨダと呼ばれていた。全国の公安捜査官からの情報を吸い上げ、それを分析し集積している。

被害者はロシア大使館周辺で街宣活動をやっていた行動右翼の幹部。公安三課によると、ロシア大使館から右翼団体に金が流れていたようだ。二日後、ロシアとの密貿易を資金源にしていた暴力団の組員が殺害された。二つの事案は凶器が同一であることが明らかになり、その手口から同一犯人で、間違いなく殺しプロの犯行と思われた。プロということは、雇った者がいるはずだ。さらに、第三の事件ではロシア人の経済スパイ、第四の被害者は公安捜査員に協力していたロシア語の教授が殺害された。

刑事VS公安という図式はよくあるパターンだが、刑事視点による公安は不気味だというものがほとんどだ。ところが、本シリーズでは一貫して公安側の視点で事件を追っている。警察が国家権力を守るために存在するのに対し、公安は日本という国家を守るのが仕事。諜報機関であり、スパイなのだ。扱う事案の性格がまるで違うので、捜査の方法も違ってくる。刑事に必要なのは、証拠だ。そこが、公安とは違う。公安は事実だと納得できる情報があればそれでいい。そして組織捜査よりも、単独行動が多い。また必要とあれば事件そのものに蓋をする。まっとうなもの読みたい人にはおすすめできない。でもおもしろい。

そしてもうひとつ特徴的なのが、ロシアという国を知れば知るほど嫌いになっていく点だ。ロシアは、社会主義国ではなくなった。だが、それは表面上のことで、巨大エネルギー産業やマスコミはどんどん国の管理下に置かれている。反政府的なジャーナリストが政府によって暗殺されている。それが政府によるものかどうか、明らかにされたわけではない。また自分たちの国益のためなら、何をしてもいいと、ロシア人が常にそう考えている。そういうキナ臭い部分を、著者は題材にし続けている。大丈夫なのか。そんな心配をしつつ、さらなる成長を重ねていくだろう倉島の今後も期待できそうだ。


今野敏さんのサイン。

今野

他のサイン本はこちらをクリック。→「サイン本」

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

今野敏
トラックバック(0)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。