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    2009

11.22

「無理」奥田英朗

無理無理
(2009/09/29)
奥田 英朗

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ゆめの市は、「湯田」「目方」「野方」という三つの町が合併して一年前に誕生した。それぞれの頭の文字を取って「ゆめの市」となった。人口十二万人の、だだっ広い地方都市だ。美しい田園風景だった国道沿いは、今では量販店とファミリーレストランとパチンコ店の激戦区だ。中でもドリームタウンはゆめので唯一の複合商業施設。市民は略してドリタンと呼ぶ。ドリタンができたおかげですべての駅前商店街が寂れ、シャッター通りと化していた。本数の少ないバス乗り場にいるのは中高年と老人ばかりだ。家族連れや若者はみんな自家用車でドリタンに来る。ゆめの市は車がないと買い物にも行けない町になった。

このゆめの市で暮らす主人公の五人。相原友則は、県庁職員だが、出向してケースワーカーとしてゆめの市の社会福祉事務所に勤務する三十二歳。生活保護の不正受給者や、弱者を主張する身勝手な市民に嫌気がさしている。妻の浮気が原因で一年前に離婚。主婦売春の現場を偶然目撃し、思わぬ深みにはまっていく。県立向田高校二年の久保史恵は、両親と弟の四人家族。退屈なゆめのを出て大学は東京へ行き、イケメンで金持ちの彼氏をつくろうと親友の和美と誓い合った。同じ予備校に通う北高の山本春樹にほのかな想いを抱いているが、ある日突然、予備校の帰りに何者かに拉致される。

加藤裕也は、詐欺まがいの漏電遮断器を売りつける二十三歳の訪問セールスマン。共に地元の商業高校を中退し、同じ暴走族で走り回った先輩の柴田に触発されて仕事が面白くなりつつある。そんな中、父親に収入があると生活保護が打ち切られると、離婚した妻から一歳二ヶ月になる息子・翔太を引き取るはめになった。堀部妙子は、子供が独立したのを機に、夫と離婚した一人暮らしの四十八歳。昼間はドリームタウンの地下にあるスーパーで保安員として働いているが、手取り十六万の生活は苦しい。仏教系の宗教団体「沙修会」の会員で、「万心教」の信者を引き抜いたのをきっかけに妨害行為を受け始めた。

ゆめの市議会議員の山本順一は、町会議員だった父親の地盤を引き継ぎ、現在二期目の四十五歳。地元の山本土地開発社長でもある。妻・友代の浪費と飲酒が頭痛の種だが、自分も愛人を囲っているので目をつむっている。いつまでも住民エゴの相手はうんざりだと、県議会に打って出る腹積もりだ。ところが先代の築いた牙城がどんどん崩れていく。そんな五人の主人公たちは鬱屈を抱えたまま日々を送り、やがて思いがけない事態に陥っていく。本来なら関わることのない五人。だが、何の因果か、五人の人生は引き寄せられ、交錯することになる。出口のないこの地方都市で、彼らに未来は開けるのか。

久しぶりに読ませる作品。なので今回はあえて語らず。ご自分で感じて下さい。


奥田英朗さんのサイン。

奥田2

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奥田英朗
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comments

メインの人物たちだけじゃなく、すべて強烈でしたね。
あの監禁犯が一番苦手としていた親戚のおじさんが、実は誰かと繋がってるのかなって思ったんですけど、無名の登場人物でしたね。(苦笑)
どんどんどつぼにハマってしまった彼らの人生、不幸ですけど、そのきっかけなんて誰の足元にも転がってそうですよね。

じゃじゃまま:2010/04/27(火) 23:13 | URL | [編集]

じゃじゃままさん
不幸へ一直線。伊良部のは真反対。こういう奥田群像劇は好きです。
結果は見えているけど読ませますよね。
分厚さを感じさせない一冊でした。

しんちゃん:2010/05/02(日) 22:42 | URL | [編集]

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無理 奥田英朗著。


≪★★★≫ 合併間もない地方都市ゆめの市。妻に浮気され捨てられた生活保護課の市役所職員相原友則、こんな田舎暮らしから抜け出して東京で女子大生になることが目標の女子高生久保史恵、元暴走族で年寄りばかり狙った詐欺まがいの営業をしている加藤裕也、スーパーに派

2010/04/27(火) 23:07 | じゃじゃままブックレビュー

無理(奥田英朗)


分厚さに負けず劣らず面白くって夢中で読んだ。けど、ラストは・・・。

2010/04/29(木) 12:51 | Bookworm

奥田英朗『無理』


無理奥田 英朗文藝春秋 今回は、奥田英朗『無理』を紹介します。群像劇ですね。舞台は東北の地方都市12万人が住んでいるゆめの市である。そこにすんでいる5人。自分で何とかしようとしているんだけど、この町にいるがゆえになんともできないというもどかしさがわかる。ま...

2011/05/24(火) 20:22 | itchy1976の日記

書籍「無理(上・下)/奥田 英朗著」降り積もる雪に足を取られて一歩も進めない


書籍「無理/奥田 英朗著」★★★☆ 奥田 英朗著 , 文藝春秋、2012/6/8 ( 428ページ/ 358ページ , 各610 円)                     →  ★映画のブログ★    

2012/07/25(水) 07:47 | soramove

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