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    2009

11.29

「赤々煉恋」朱川湊人

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赤々煉恋 朱川 湊人

人間の赤裸々な欲望、妄執を巧みな文章で書き綴った、直木賞作家・朱川湊人の新機軸。最愛の妹を亡くした女、雨の渋谷で死んだ同級生を思い出す男、街を彷徨う女子高生、満たされぬ思いから窃盗を繰り返す女、この世のものとは思えない美女と遭遇した少年……、赤々とした炎のように何かに身を焦がし、切望する者たちの行く末ははたして。切ない余韻の残る連作短編集。

「死体写真師」
やつれ果てた妹の死顔を見ながら、早苗は涙を止めることができなかった。高校の卒業間際に発病して以来、三年半、百合香は辛い病気によく耐えた。その苦痛が今、ようやく終わったのだ。看護師たちが、清拭してくれた百合香はまるで眠っているみたい。本当にきれいだ。できれば写真に撮っておきたいぐらい。その時、恋人の晴紀があることを思い出した。その葬儀会社には、死んだ人専門のカメラマンがいるという話だった。/死者を冒涜するような内容で嫌悪感しか持てなかった。

「レイニー・エレーン」
渋谷のラブホテルに入った佐原は、出会い系サイトで知り合ったありすから、雨の日になるとこの街に帰ってくるという「レイニー・エレーン」の話を聞き、大学の同級生のことを思い出す。その理華こそが五年前の冬、この街の狭い路地で絞殺死体となって発見された女だった。昼は一流企業の有能なOLとして働き、夜はこの街をさまよって、一晩のうちに何人もの男の相手をしていたという。まさかここで、その話題が出るとは思わなかった。/怖さの中に、忘れられない恋心の切なさがあった。

「アタシの、いちばん、ほしいもの」
ジョイフルタウンプラザと名付けられたマンション棟。このマンションには、アタシのお気に入りの場所があった。A棟の非常階段のすぐ脇にある、植え込みの中。その真ん中あたりに、いきなり何も植えられていない場所があって、実はそこがアタシの秘密基地。アタシはそこに坐って、ただ、じっとしているのが大好きなんだ。アタシは十二階から飛び降りて、自ら命を捨てた。だからここが、アタシの発生地点だ。それ以来、ずっと一人だ。/寂しいけれど、この無力感は好き。

「私はフランセス」
中学二年生の頃、同じクラスだったあなたに宛てたMDのお便り。私の家はある宗教団体に入っていた。私の悪癖はそんなストレスから生まれたのかもしれない。なぜか盗んでしまう盗癖。十六歳の時、万引きを見られた相手が悪く、罰を受けて妊娠。教義を尊重する親に縁を切られ、町から追い出されることになった。Mさんは、もともと売春のお客だった。それからまもなく、私は売春をやめて彼と暮らすようになった。Mさんには変わった嗜好があった。/理解しがたくて、頭の中は?マークでいっぱい。

「いつか、静かの海に」
克也にとって夜こそが安息であり、自由だった。生まれてすぐに母に捨てられ、その後、暴力的な父親に育てられた。あの不思議な男と出会ったのは、小学四年のことである。すべては必然だったように思える。克也と曾根さん、そしてお姫さまを出会わせたのだ。お姫様は、元々は鉱物で、月の水を飲んで成長する月星人だった。それからの夜は、いっそう特別なものになった。学校から帰ると、日が落ちるのを待って曾根さんの家に行く。お姫さまのための月の水集めを手伝うのだ。/魅せられた人の執着心が怖い。

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