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    2009

12.01

「午前零時のサンドリヨン」相沢沙呼

午前零時のサンドリヨン午前零時のサンドリヨン
(2009/10/10)
相沢 沙呼

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ポチこと須川くんが、高校入学後に一目惚れしたクラスメイト。不思議な雰囲気を持つ女の子・酉乃初は、実は凄腕のマジシャンだった。放課後にレストラン・バー『サンドリヨン』でマジックを披露する彼女は、須川くんたちが学校で巻き込まれた不思議な事件を、抜群のマジックテクニックを駆使して鮮やかに解決する。それなのに、なぜか人間関係には臆病で、心を閉ざしがちな初。はたして、須川くんの恋の行方は―。学園生活をセンシティブな筆致で描く、“ボーイ・ミーツ・ガール” ミステリ。第十九回鮎川哲也賞受賞作。

子供の頃の自分が夢中になったのは、テレビの中の初代・引田天功の脱出イリュージョン。そして初めて目の前でマジックを見たのは、二代目・引田天功。現在のプリンセス・テンコーだ。現在では世界的なエンターティナーになった彼女だが、当時見たのは百貨店のフロアを借りた手品ショウ。バニーのような格好で、おかん曰く「大人の男は手品よりも太腿を見ているのよ」という言葉を記憶している。なぜそのような古い記憶を思い出したのか。それは主人公の須川くんの目線が、たびたび女子の太股にいってしまうからだ。

ギャップというものに惹かれることがある。例えば、眼鏡女子の素顔や、怖そうな人が見せる動物好きな一面。人の身体をバチバチ叩くような人が、飲み会でテーブルを拭いている姿や、ふと見せるしおらしさ。その意外性を知って、ぐっとくることってあるでしょう。学校では物憂げな表情で、ほとんど笑わなくて、口数が少なくて、どことなく近寄り難い。そんな彼女がバーのカウンター越しに、見たこともないような表情と、聞いたこともないような声で、素敵なマジックを披露してくれたら。日常にある謎を解いてくれたら。

図書室で見つけた変てこな書架。三段目の雑誌だけ真ん中の一冊以外すべて逆向きに収められていた謎(「空回りのトライアンフ」)、音楽室に置き忘れたハンカチを盗むと、机にナイフで三つのfを刻んで去っていった怪盗スリーエフの正体(「胸中カード・スタッブ」、学校で飛び降り自殺した女の子の幽霊のしわざとされた不思議(「あてにならないプレディクタ」、さらなる幽霊騒ぎが起こる中、最近の酉乃さんの様子がおかしい(「あなたのためのワイルド・カード」)。

マジックは不思議を楽しむものであって、推理小説のように解明を楽しむものではない。マジックはその名前の通り、魔法。マジックにタネがあるのは誰にだってわかっている。それを踏まえて不思議を楽しむのがマジック。その言葉の通りマジックのタネ明かしはしない。しかし、日常の謎は解き明かしてくれる。そして、問題を抱えている生徒に優しく接することで、その人を救っていく。人間関係はちょっぴりビターだが、恋はわりと甘くて、マジックと連動したミステリは巧みで、読後感が心地良い一冊であった。


相沢沙呼さんのサイン。

相沢1

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