--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2009

12.05

「ぬるい男と浮いてる女」平安寿子

ぬるい男と浮いてる女ぬるい男と浮いてる女
(2009/10)
平 安寿子

商品詳細を見る

開業医を目指した貴子が出会ったのは、跡継ぎのいない村上クリニック。医者になる気がまるでなかった定雄とビジネスライクに結婚し、村上の家に入ったよそ者だ。何年経っても、その感覚は消えない。夫は病院経営コンサルト業を興し、今度はカフェを経営するという。しかも店長は、養父が言うところの「バカな親父とバカな母親の間に産まれた筋金入りのバカ」という甥っこにやらせるそうだ。店のコンセプトは、洗練された人がいい時間を過ごせるサロン、とは、オーナー(夫)の言葉だ。(「長い目で見て」)

サチオは勤める銀行から退職勧告を受けて故郷に帰った。そして、銀行勤めの経験を売り物に、地元の不動産会社に就職した。仕事の取引先でもある中学時代の親友の父親が死んだという知らせが来て、葬式に行った。そこで中学卒業以来となる彼女を見つけた。彼女は地元で手広くチェーン展開しているスーパーマーケットの娘だ。サチオは彼女に恋をしてしまった。その小森玖美の趣味は葬式に行くことだった。付き合いがないのに、葬式があると必ず来る。しかも、泣く。(「ブルーブラックな彼女」)

展示家具のショールームで働く剛は、モテたいヤリたいという肉欲が薄いことから「草食系男子」と呼ばれている。まったくダメとか、嫌いというのではない。でも、ご要望には応えなければならないとなると、萎えてしまう。剛だって、デートはする。女友達も数人いる。だが、いつも割り勘だ。女の子とも友達関係でいるほうが好ましい。恋人より、友達がほしい。どうしてそうなのか、なんて、生まれつきだ。剛は、生きることより、自宅で快適に暮らすことのほうに関心がある。それはもう、昔からだ。(「滅亡に向かって」)

一枝は高卒ですぐに就職し六十歳の定年まで働いたから、厚生年金の給付額はけっこういい。マンションのローンは退職金で完済したし、貯金もある。頼れるのは自分と金だけだ。一枝が恐れているのは、死よりも病気だ。年金相談センターでバイトするようになってから、特にそれを感じるようになった。一枝は用心深い。でなければ、優雅なひとり暮らしを享受できない。大人のためのバレエ教室に通っているのは、別の人生を歩んでいたかもしれないという「気分」が味わえるからだ。(「浮いてる女」)

何を考えてる? 収はよくそう訊かれる。バイトしているスニーカー専門店では、二歳年下の裕太が、高校生の麗菜が、先輩バイトが、あるいは店長が、よってたかって収の何も考えていないおバカぶりを指摘する。怒られる。説教される。こんな収だが、まだクビにはなっていない。いないより、まし。店長がそうボヤいているのを聞いた。ああ、そうかと、収は思った。ということは、いたほうがいいんだ。なら、いよう。アルバイト先さえしくじなければ、一人の暮らしを守っていられる。(「ぬるい男」)

トシオが彼女に出会ったのは、去年の今頃のことである。彼女は電気製品を狂わせる。そういう体質なのだという。身体が電気的な何かを発して、影響を及ぼすらしい。これはどうやら遺伝的なものらしく、彼女の家ではテレビや洗濯機がすぐ壊れた。しかし、別に問題は感じなかった。機械は壊れるものだから。トシオは不思議ちゃんが嫌いだ。だから、彼女の言うことも納得できない。でも、腹は立たなかった。反発するなんて、とても無理だ。彼女はあまりにも素敵だった。四十歳で、淫乱であっても。(「えれくとり子」)

ちょっとヘンな男女6人の人生模様を描く短篇集。他人から見ると変わり者でも、本人たちにとってはそれがふつう。他人に迷惑や不快感を与えなければ別に問題はない。ここに登場する男女は、そういう意味では許せる人たちだ。本人の生き方や、人とは異なる嗜好にしても、それほどクセがあるわけではない。ほんのちょっとヘンなだけ。だからなのか、読み終えてもあまり印象に残らない。面白さもいつもの平作品と比べると控えめ。この「ちょっと」という匙加減を、もう一杯ぐらい加えて欲しかった。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

平安寿子
トラックバック(0)  コメント(0) 

Next |  Back

comments

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。