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    2009

12.24

「陽だまりの偽り」長岡弘樹

陽だまりの偽り陽だまりの偽り
(2005/07)
長岡 弘樹

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日常に起きた事件をきっかけに浮かびあがる、人間の弱さや温もり、保身や欲望。誰しも身に覚えのある心情を巧みに描きだした五編を収録。自分の失態を取り消したい。無かったことにしたい。こうすればうやむやに出来るのではないか。悪魔の囁きに心惹かれる主人公たちだが、意外や意外、ほろ苦くも心憎いオチが待っている。実際のところ、そうそう上手く救われるわけがない。しかし、主人公たちを突き落とさないラストは読後感を良くしていた。そのメルヘンが面白い。

梶山郁造は、正直な話、自分はアルツハイマー型の痴呆症を疑っている。だが、真実を知るのが怖くて、まだ医者の診察を受けていない。このことだけは、誰にも悟られないように注意している。職を退いてから七年半になるとはいえ、元は市立中学の校長だ。今は町内会長を務めている。他人に無様なところは見せられない。息子の嫁から預かった現金を落としてしまったが、どこで落としたのかも覚えていない。ボケ老人のレッテルを貼られることを恐れ、郁造はある行為に踏み切る。(「陽だまりの偽り」)

居道葉子は、離婚して以来、がむしゃらに働いてきた。明日おこなわれる下半期の異動で、ついに課長になる。業務関係の連絡に紛れ込むようにして、少年補導センターから電話が入った。センターの職員は、息子の修児が万引きしたのだと説明した。職場にいるところを呼び出されたのも、これが初めてではなかった。その後、葉子は修児と並んで、専門員からこんこんと説教を受けた。その帰り道に人身事故を起こしてしまった。やっとつかんだ地位を絶対に手放したくない。焦る葉子に修児が口にした言葉は。(「淡い青の中に」)

崎本俊三は、市役所の管財課で課長を勤めている。柵のことは市民からの電話で教えられた。市役所庁舎のすぐ横に立つ立体駐車場。その屋上を囲っている鉄柵の鉄格子が一本抜けていた。たしかに危なかった。崎本は鉄柵に注意書きを吊るし、とりあえずの応急措置を施した。ところが翌日からの一週間、会議が立て続けにあったせいで、この一件はすっかり忘れてしまった。その屋上の隙間から酔った市民が転落して死亡したのだ。十日間も放置していたのは、自分だ。どんな責任を負うことになるのか。(「プレイヤー」)

以前は守下要一の生活にも順風が吹いていた。首都圏の新聞社に勤務し、報道部のカメラマンとして、きっちり仕事をこなしてきた。あの事故を起こす直前までは。交通事故を起こし、新米記者の身体にハンディを負わせた。逃げるように田舎に帰った森下は、父親が細々と続けていた写真館の仕事を手伝いはじめた。経営は行き詰っていた。追い討ちをかけるように、父親が脳梗塞で倒れた。返済のための借金を繰り返した。森下は身代金目的の誘拐を決行した。ずっと怯えていた。どこの刑務所に入れられるのか。(「写心」)

ジョギング中の志野田正臣は、ふと、かすかに不穏な気配を感じた。「おら」か「こら」か。はっきりしないが、そんな低い声を聞いたような気もした。だが、路地をのぞいても、人影は見当たらなかった。その日、息子の克己は友人と二人、四人組の男たちに取り囲まれ、金を出せと脅された。財布は取られたものの、克己に怪我はなかった。しかし、友人の方は暴行を受け、意識不明の重体となった。その似顔絵に、別件で逮捕した男の顔が合致した。ところが、克己は警察へ面通しに行くことを拒んだ。(「重い扉が」)

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