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    2010

01.03

「マノロブラニクには早すぎる」永井するみ

マノロブラニクには早すぎるマノロブラニクには早すぎる
(2009/10)
永井 するみ

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小島世里は翻訳文学の編集者を志望して出版社に入った。なのに、配属されたのは女性誌ダリア編集部。ファッションやコスメティック、ジュエリーにはまったくと言っていいほど興味がなく、これまで世里は洋服もバッグも靴も時計も機能性重視で選んできた。学生時代はずっとテニス部で、ジャージやテニスウェア姿で過ごす時間が長かったせいもある。世里にとっては、流行のアイテムは別になくても不自由しないものばかりだった。

配属されてから八ヶ月。これまで編集長の松田雅美からかけられた言葉といえば、ほとんどが厳しいものばかり。ここはまるで異空間。周囲で発せられる言葉も理解不能だ。自由に呼吸することさえできなくなりそうだった。それでも少し前から読者モデルの対応を任されるようになって、ようやく自分も編集部の一員になれたような気がしている。それと松田の履いている靴の美しさに惹き付けられるようになった。

そんなある日、編集部の世里に会いたいと見知らぬ中学生が訪ねてきた。カメラマンだった二之宮伸一はN出版の編集者と不倫していた可能性が高く、息子の太一は世里を父の不倫相手と勘違いしていたのだ。太一の父は隅田川の河口近くで遺体となって発見された。警察は事故死と判断した。だが、太一は納得していない。父の死にその女性が関わっているのではないかと太一は推測したのだった。世里は太一に手伝う約束する。

華やかに見えるファッション誌の裏側で奮闘するヒロインと、カメラマン死亡にまつわる謎を追う二本立てになっている。ただ、全体的には編集者としての日常に多くの重点が置かれていた。自分の力不足にうんざりしている世里は、太一との出会いによって、心がほぐれ、それが仕事にも繋がっていく。ようするに、太一という存在は世里にとっての頑張れる元気の素なのだ。そしてファッションアイテムの中で靴が重要なキーワードとして浮上してくる。

タイトルにもなっている「マノロブラニク」とは、スペイン出身のデザイナーが手掛けるトップブランドらしい。松田編集長の靴に惹かれたことで、世里にとって靴は常に気になるアイテムとなり、ファッション編集者として仕事をする上での羅針盤のような存在になって、少しずつ自分らしい編集者としての歩き方が見えてくる。またミステリの謎を解く鍵としても大きな役割を担うようになるのだ。そしてもう一つ浮かび上がってくるのが人の野心だ。

野心というのは、そばにいる人に火傷を負わされるのだが、仕事への強い愛情ゆえに生まれてくるそれは、大事なものでもあるのだなと世里は感じるのだった。そして、自分に足りないのは、その野心なのかもしれないとも思う。どの職場であっても、野心や向上心がなければ人は大きくなれない。さくさく読めるライトな作品だが、働く上での本質を鋭く突いていると思った。人に頼り切らない。自分で考える。言葉では簡単なようで、これが実に難しい。

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