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    2010

01.05

「名探偵は密航中」若竹七海

名探偵は密航中 (光文社文庫)名探偵は密航中 (光文社文庫)
(2003/03/12)
若竹 七海

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酒癖・女癖が悪く、誰にでも借金を申し込むが返したためしがない。周囲からは蛇蝎のごとく嫌われていた山城新吉が、勤めていた横浜のローラースケート場で殺されていた。殺人のあった夜、新吉は連れに、あさってから海外ですか、と問いかけていた。その日、出帆した船は箱根丸ただ一隻のみだ。目撃者の証言が正しければ、犯人は箱根丸に乗っていることになる。昭和五年七月、豪華客船・箱根丸は横浜港を出港、倫敦へ向かった。「殺人者出奔」

船は香港に停泊中。山之内男爵家のご令嬢が倫敦赴任中の若い外交官である夫の元へ赴くことになったとき、家庭教師の鹿内ヒデと、そしてなぜかヒデの家で女中奉公している沢田ナツまでもが、そのお供をすることになったのだ。ご令嬢・初子様は、手のつけられないじゃじゃ馬で、飲みっぷりもきっぷもよく、天敵の老婦人のご面相を評して、出っ歯の猿などと口を滑らせたり、何度も船から脱走を試みていた。「お嬢様乗船」

シンガーポールに船が停泊中のことだった。池澤二郎は酔っぱらって、闇のカジノでしこたま儲けて、喜んで船に戻ってきた。ところが、部屋に入った途端、背後から何者かに殴り殺された。一等船室に開きができ、その部屋を惜しげもなく与えられたのは、ロバート・カーマイケル卿夫人が日本から連れ帰ることにした猫だった。猫には池澤の幽霊になった姿が見えていた。「猫は航海中」

船はコロンボに到着した。もともと岡本裕子と山之内初子はお互いを羨んでいた。裕子は金回りのいい初子を。初子は裕子の趣味の良い身なりを。ここに二人の男が登場した。裕子に近づいた俵将美と名乗る男は、裕子の金のないことを皮肉り、初子の贅沢ぶりを賞賛した。逆に、田口盛雄は初子に近づき、初子の金持ちぶりを皮肉り、裕子の粋なスタイルをほめたたえた。裕子と初子は顔を合わせないぐらい険悪になる。「名探偵は密航中」

船は世界で一番暑い紅海を進んでいる途上にあった。せめて怖い話で涼をとろうと、スモーキングルームにいた箱根丸の船会社重役の若林氏、元警察官の通称〈老水夫〉、アンダーソン夫婦、女性探検家のスミス嬢、若いリチャード・ドイルたちは、自分が体験した不思議な話を皆でかわるがわる披露しあう。生化学の研究者だったヘジャトン博士は、そのすべての話に合理的な説明をつけようとするが。「幽霊船出現」

子どもは病室の寝台で、死んだように眠り続けていた。子どもはとんでもない悪戯小僧で、彼が父親に連れられナポリから箱根丸に乗り込んでわずか二日たらずの間に、船内は阿鼻叫喚の巷と化した。ところが、自業自得とはいうものの、睡眠薬を多量に飲んだ上に階段から転げ落ちて、頭を強く打って意識不明に陥った。徹夜で付き添う看護婦の桜は、彼が書いていた日記を偶然手に入れ読んでみると。「船上の悪女」

ミネルバ・ハザートが仮装パーティーを主催したのは、倫敦到着の二日前の夜のことだった。彼女はセンチメンタルな感情が大嫌いだった。船客たちは一日がかりで用意した思い思いの仮装に身を包んでいた。しんみりした雰囲気などすっかり吹き飛んだ。優勝者には賞品が授与される。もう少しで投票が始まるというその時、船上の明かりが消えた。停電が復旧すると、社交室の壁には謎の文字が書き殴ってあった。「別れの汽笛」

横浜から倫敦へ向かう箱根丸船上で連動したオムニバス・ストーリー。小気味の良いミステリが楽しめ、またお気に入りの登場人物にもめぐり遭えるはず。そして若竹作品ではめずらしく後味の悪さも控えめで、気軽に読める作品だと思う。個人的に面白いと思ったのは、魅力的なキャラとストーリーが楽しい「お嬢様乗船」と、ミステリが十分堪能できる「船上の悪女」だった。

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若竹七海
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