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    2010

01.06

「オヤジ・エイジ・ロックンロール」熊谷達也

オヤジ・エイジ・ロックンロールオヤジ・エイジ・ロックンロール
(2009/11/20)
熊谷 達也

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黒沢拓也は、高校から大学にかけて、いわゆるギター小僧だった。最初、その気はまったくなかった。五十歳を目前にしてエレキギターを購入する。その気になれば、いまならこのギター、買えるじゃないか。ほかに金がかかる趣味があるわけじゃないからと、女房の許しが出た。上限は二十五万。しかし拓也が店内で一目惚れしたのは六十四万八千円の五十九年レス・ポール。会社で加入した積み立て保険の満期返済金を軍資金に、ギターのことを知らない女房には嘘がばれるはずがないと、拓也はそのギターを買ってしまう。

拓也が入社以来二十七年間勤務しているのは、地元仙台ではそこそこ大きな印刷会社である。拓也は企業や商店向けのホームページを製作している部門の、一応、室長だ。直接の部下と呼べるスタッフは、若手デザイナーのアッちゃんこと杉本亜紀のほかに四名いるだけ。一人だけの趣味として楽しむつもりが、同僚のアッちゃんに知られたことがきっかけで、拓也はバンドを結成することになった。そしてメンバーを集め、オリジナル曲を作って、アンチエイジ・ロック・コンテストの全国大会を目指すことに。

七十年代のハードロックや、バンドを経験したことのない方は、ある程度不利な読書となるかもしれない。しかし人間心理は肯ける部分があるはず。リズムマシン、エフェクターなど、拓也は便利な機材の進歩に驚きつつ、購買意欲をそそられつい買ってしまう。学生時代は金がないが、社会人ともなるとある程度の融通がきく。いわゆる大人買いというやつだ。その歯止めのきかない散財っぷりが、自分と重なり面白い。いや笑ってはいられない。帰宅して少しは反省するからだ。でもまた買ってしまう。これって何故だろう?

そして淡くてほろ苦い青春時代の想い出が途中で挟まれてくる。ここは若干違和感を覚えてしまうが、後に思わぬ人物との再会が待っている。同窓会でも同じことだが、かつての恋人と再会するのって複雑な気分だ。脳裏にあるその人と、現在形で登場する本人とのギャップ。ここで見せるオヤジたちの微妙な男心がくすぐったい。ガールズ・トークがあるならば、男同士のトイレ・トークがあってもいいではないかと、存分に笑わせてもらった。

その一方で、いい言葉も飛び出してくる。仕事は大事だが、音楽でもなんでも、楽しいことや好きなことがあった方が、人生は絶対に豊になると。ともかく、一つのことに熱くなっているオヤジたちが格好いい。展開は王道のパターンではあるが、そのミラクルが心地良い。ロックは見た目が大事である。格好よさがすべてである。冒頭で主人公はメタボ体型を気にしてダイエットをはじめていたが、はたしてお腹の肉はどうなったのか。そこは少し気になる部分だが、元気をもらえる前向きな楽しい一冊であった。

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