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    2010

01.10

「ロスト・トレイン」中村弦

ロスト・トレインロスト・トレイン
(2009/11/20)
中村 弦

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ぼくこと牧村は奥多摩の小河内線をおとずれていた。たまたま手に取った雑誌の記事で、廃線跡というものに興味をもつようになったのだ。そこで男の人に声をかけられた。鉄道ファンというだけあって、ぼくの知らない情報をいろいろと知っていた。どのへんに住んでいるのかと訊くと、吉祥寺だと男の人は答えた。おなじ地域に住んでいるとわかると、さらに親しみが湧いた。それが平間要一郎さんとぼくの付き合いのはじまりだった。

平間さんには、〈ぷらっとほーむ〉という名の店内にいながら駅のホームを一望できる行き付けの居酒屋があった。平間さんは、一方的に懐いていったぼくを快く受け入れ、いつでも歓迎してくれた。その日めずらしく酔っていた平間さんはまぼろしの廃線跡の話をする。日本のどこかにまだ誰にも知られていない、まぼろしの廃線跡がある。それを見つけて始発駅から終着駅までたどれば、ある奇跡が起こる。そうつぶやいていた平間さんが消えた。

まわりの人間が気づかないうちに何のてがかりも残さず、きれいさっぱりいなくなった。ぼくはしばらくのあいだ途方に暮れた。そんな状況のなか、平間さんから一枚の名刺をもらっていたことを思い出す。旅行代理店に勤める倉本菜月のものだった。平間さんの失踪には例のまぼろしの廃線が関わっている、と目星をつけたぼくは、彼を慕うテツ子の菜月さんとともに、平間さんの行方を辿り始める。

廃墟や廃線跡など、人が活動していた痕跡とともに朽ち果てていく景色に心惹かれる者は多いだろう。まぼろしの廃線跡と、その廃線跡を調べていた平間さんの失踪。またぼくが菜月さんに寄せるほのかな恋物語がここにある。平間さんはまぼろしの廃線跡に辿りつけたのか。その廃線跡とはどういう場所なのか。そしてそこで奇跡は起こるのか。その興味深い展開に目が釘付けになる。キーワードは、人生の乗り換え駅。ドキッとする言葉だ。

廃れたものに神秘的なものを感じ、自分以外に誰も居ないという静寂さに怖さを感じる場所。日常的な空間も時間も、いともあっさり消えてしまった異空間のような場所。むかしの面影を想像して懐かしむ。あるいは儚さを覚えて寂しくなる。なんにしろ、そこは日常の中に潜む異世界との接点かもしれない。デビュー作の「天使の歩廊」とは、随分と違う作風だが、一気に読ませるファンタジー作品であった。次回作にも期待!

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中村弦 「ロスト・トレイン」


テツの間で伝わる都市伝説のような話。誰も知らない廃止線跡を行くと凄いことに出会うと言う。

2011/03/04(金) 22:50 | ゼロから

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