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    2010

01.12

「ビッチマグネット」舞城王太郎

ビッチマグネットビッチマグネット
(2009/11/27)
舞城王太郎

商品詳細を見る

なんだか妙に仲のいい、香緒里と友徳姉弟。浮気のあげく家出してしまった父・和志とその愛人・花さん。そして、友徳のガールフレンド=ビッチビッチな三輪あかりちゃん登場。成長小説であり、家族をめぐるストーリーであり、物語をめぐる物語であり…。ネオ青春×家族小説。《出版社より》

お母さんの心をかじっているのはお父さんと弟の友徳で、お父さんは浮気癖状態だった。お父さん曰く、毎日カレーばかりだと飽きる、とか、思い返すのもうんざり。そういうのを赦すお母さんを見ていたせいで私は恋愛と結婚は馬鹿のすることって思い込んでいた。友徳は反抗期だった。でもお父さんとは違って友徳のことは好きだ。親なんて先に死ぬ。再婚してしまえば私以外と新しい家族を作る。一人にはなりたくない。姉弟ならば、そばにいさえすれば関係は壊れない。私は中学生になってもひとつ下の友徳と同じ布団に寝ていた。私たちは布団の中で沢山話をする。学校の話。友達の話。変な作り話。

姉の香織里が中一のころから就職して一年目というあたりまで、彼女の成長や家族の変容が描かれている。香織里は家族を捨てた父を憎みながら、何でも深々と考え、謎の衝動にかられて意味不明な言葉を言う。弟の友徳は面倒な女の子ばかりに好かれてしまう。彼が付き合うことになる三輪あかりは、安全な位置を確保しながら周囲を巻き込んで混乱させていくような女の子だ。大学生になった友徳は一人暮らしを始め、香織里は消極的なお母さんと二人きりの家が憂鬱になり、急ごしらえで彼氏を作ってみれば、家を出たお父さんと七年ぶりに再会する。しかも愛人付きで。さらにその花さんとは気が合って仲良くなる。

非常にアンバランスな家庭でも、それが日常化している。十八歳のときに漫画を描いてみることにした香織里は、まったく描けないことに唖然とする。彼女は自分に問いかける。私の中に物語はないの? 物語ってどうやって創っていくんだろう? 物語を生み出すに足る経験ってどこでどうやって手に入れられるんだろう? 大人になった香織里は自分なりの答えを得る。産まれて育っていろんな人に出会っていろんなことを知ってその人が出来上がっていく。いろんな物語を身にまとう。両親や弟や愛人など、誰にでも、自分自身にも物語があることに気づきくのだ。

深刻な設定なのに暗さを感じさせず、ひたすらポップにどこまでもあっけらかんとスピーディーに展開していく。熱心なファンではないが、デビュー作「煙か土か食い物」でも家族を描いていたことを思い出した。もっと異常で無茶苦茶で一応ミステリで、文字がまるでお経のようにぎっしり詰まっていたと記憶しているが、作品の雰囲気はこんな感じだったかも知れない。本作はそれらよりも文学色が強いと思っていたら、芥川賞の候補にノミネートされていた。ひょっとしたら、あるかも。いつか読もうと買って積んでいる舞城作品だが、これをきっかけに読むことになるかもね。

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舞城王太郎
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comments

おはようございます。
TBさせていただきました。
私も微妙な気持ちで読みました。これまでいくら家族を描いていても、それは家族と似て非なるものだと感じていましたが、それも、この小説で種明かしされたようにも思います。
私も、舞城さん、俄然要チェック作家になってきました。

時折:2010/01/24(日) 08:26 | URL | [編集]

時折さん、こんばんは。
舞城作品は好きです。でも現状ではおっつかない。
続けて読むとしんどいし、かといってペースがある作家でもない。
その結果、読みたいと思いつつ、積む作家になっています^^;

しんちゃん:2010/01/24(日) 22:52 | URL | [編集]

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舞城王太郎『ビッチマグネット』


ビッチマグネット著者:舞城王太郎販売元:新潮社発売日:2009-11-27おすすめ度:クチコミを見る 読み方を試す舞城王太郎の隠微な愉悦、との相克、とか。 内容(「BOOK」データベースより)なんだか妙に仲のいい、香緒里と友徳姉弟。浮気のあげく家出してしまった父・和志...

2010/01/24(日) 08:24 | 時折書房

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