--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2010

01.13

「まほろ駅前番外地」三浦しをん

まほろ駅前番外地まほろ駅前番外地
(2009/10)
三浦 しをん

商品詳細を見る

多田・行天コンビが主人公の人気シリーズ『まほろ駅前多田便利軒』のパート2は“番外地”と銘打って、多田・行天の物語3篇に加え、本篇の脇役が主人公となる短篇4篇を収録。若き地元ヤクザ星良一、生意気小学生の田村由良のほか、意外な人物もフィーチャーされます。面白さも更に増しての待望の新刊、どうぞお楽しみに。《出版社より》

忘れてる……。何を? ほとんどと言えるかもしれない。便利屋の多田便利軒を営む多田と、そこに居候する変わり者の行天、彼らに一時は飼われることになったチワワと、そのチワワを引き取った娼婦のルルとハイシー。ここが記憶の限界だった。直木賞を受賞した前作は買って読んでいたので、本棚から引っぱり出せばすぐにおさらいができる。でもそれをしない自分がいた。なんとかなるだろうと。

「光る石」
多田便利軒に依頼者がやって来た。信用金庫に勤めている宮本由香里は、去年、駅前支店に異動になり、中学の同級生だった武内小夜と、同僚として再会した。由香里は結婚が決まっていて、エンゲージリングの下見に小夜を誘った。由香里はいいと思える指輪を見つけ、婚約者に0.45カラットのリングを買ってもらった。その後、小夜が婚約者から買ってもらったエンゲージリングは、同じデザインの、0.75カラット。便利屋さん。私もうこれ以上、あの女がエンゲージリングをしてるところを見たくないんです! 

「星良一の優雅な日常」
星良一がマンションの部屋を購入しようと決めた最大の理由は、まほろ自然の森公園に近いことだった。星は毎朝、ジョギングする。星は知っていた。夜の公園で薬を売るヤクザ。その薬をのこのこ買いにくるガキ。ヤクザの仕事場で横合いからカツアゲするチンピラ。どいつもこいつも、頭が悪すぎる。だが、商売の好機をつかんだとも言える。晴海は星の部屋に入り浸っていた。晴海は未成年だ。裏の世界にどっぷり浸かりきった男の部屋で過ごすことは、環境としては最悪だろう。

「思い出の銀幕」
曾根田菊子は父親と二人だけで映画館を切り盛りしていた。敗戦から二年が経ち、ひとも町も活気を取り戻しつつあった。だが許嫁は戦争に行ったきり帰ってこない。新しい生活を切り開く勇気がない。ただ待っているだけ。彼を本当に好きなのか、いまとなっては定かではないのに、生活が変わる日を待っていた。ある日、チンピラに追われていたヤクザのような男を助けた。菊子は恋に落ちた。その矢先、婚約者がシベリアから復員してきた。曽根田のばあちゃんが若かりし頃のロマンスを回想する。

「岡夫人は観察する」
岡夫人には近ごろ、三つの心配事がある。庭の椿の木に元気がない。夫は年々、気むずかしさに歯車をかけている。横中バスにほとんど恋をしているのではあるまいかと思われるほどに、バスの運行状況に目を光らせる日々だ。まほろ駅前にある多田便利軒を、夫は数年来、贔屓にしている。依頼内容はいつも同じ。庭しごとをするかたわら、横中バスの運行状況を監視せよ。岡夫人の楽しみは、多田が立ち働くさまをひそかに観察することである。最近の多田と助手の様子がなんだかおかしい。喧嘩でもしているようだ。

「由良公は運が悪い」
その日は休日だったので、田村由良は寝坊した。小学五年生ともなると、なかなか忙しい毎日だ。週に五日も塾に通い、当然、平日は小学校で授業を受けている。今日は両親と出かける予定だったが、二人とも仕事が入り、母親が置いていった三千円のお小遣いを持って駅前まで出かけた。由良はそこでギョーテンにつかまってしまう。由良の母親は以前、便利屋を営む多田という男に、塾から家まで由良を送り届けるよう依頼した。でも問題は、助手のギョーテンだ。由良は奇怪なギョーテンが苦手だった。

「逃げる男」
依頼内容は故人の遺品整理。その古ぼけたアパートの部屋は魔窟と呼べる有り様だった。余人には計り知れない美意識によって、ものが蓄積されている。依頼人の柏木亜沙子は、キッチンまほろグループの社長だ。二週間ほどまえに先代社長が急死して、専務だった妻の亜沙子が跡を継いだ。先代社長の名前は、柏木誠一郎。六十八歳。ちなみに亜沙子は、三十二歳。二年前にずっと年下の妻を捨て、せっかく建てた大きな家を出て、柏木誠一郎はなぜ、あんな埃っぽい、がらくたまみれの部屋で暮らしていたのか。

「なごり月」
田岡という男から電話がかかってきた。妻がインフルエンザに罹ったが、間の悪いことに、今日から一泊で出張しなければならない。わたしが帰るまで、妻と二歳の娘の世話をよろしく頼む。そして冷蔵庫に入っている健康食材以外は使わないよう言い含められた。多田はなんとか料理らしきものを作り上げ、女の子に食べさせていると急にぐずりだした。飯粒と唾液でべたべたになった手を振り回す。行天の様子が尋常ではない。ぶっ殺されたくなかったら黙れ。はじめて見る行天の姿に、多田は混乱した。

前作の記憶がないまま読んでみたが、なんとかなったかも。規則正しい生活を好むアウトローの星、バスの運行状況に執着する岡老人、塾通いで忙しい由良公など、なんとなく思い出すことができた。そして今回初登場する柏木亜沙子への多田の執心が、続編の存在を期待させるのだ。元々行天は謎の男だが憎めない駄目人間だった。それが最終話で、わけのわからないトラウマを抱えていたと提示される。その中途半端な締め方が、読後感をひとつ下のものへと落としていたように思う。そこがもったいない、と思った。


所蔵三冊目となる三浦しをんさんのサイン。

三浦3

他のサイン本はこちらをクリック。→「サイン本」

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

三浦しをん
トラックバック(6)  コメント(2) 

Next |  Back

comments

こんばんわ。
TBさせていただきました。
私も前作のことは本当に全然覚えていませんでした^^;
でも、面白く読めましたね。
改めて登場人物を覚えました。
最後の最後、どうなるのか気になりますよね。
どうしてああなってしまったのか・・・

苗坊:2010/02/18(木) 21:41 | URL | [編集]

苗坊さん、こんばんは。
記憶になくても読めましたね(笑)
でも覚えていればもっと楽しめたかも。
最後の展開はええっ!て感じでした。
この複雑な感情ですが、続編まで持続するかどうか^^;

しんちゃん:2010/02/20(土) 22:00 | URL | [編集]

コメントの投稿











 管理者にだけ表示を許可
trackback
この記事のトラックバックURL

まほろ駅前番外地(三浦しをん)


「まほろ駅前多田便利軒」の続編というか、番外編かな。前作で脇役だった人々が主役となって登場!な短編集。

2010/01/14(木) 12:50 | Bookworm

【まほろ駅前番外地】 三浦しをん 著


多田と行天、おせっかいな二人の物語・・・  まずは来訪記念にどうかひとつ! [:next:] 人気blogランキング【あらすじ】東京のはずれに位置する「まほろ市」の駅前にある便利屋「多田便利軒」に舞いこむ依頼はどこかきな臭い。多田と行天コンビの魅力満点の連作集。痛...

2010/01/20(水) 17:33 | じゅずじの旦那

まほろ駅前番外地 三浦しをん


まほろ駅前番外地クチコミを見る 「光る石」多田便利軒に宮本由香里がやってきた。彼女は結婚が決まっており、指輪を選ぶのを手伝ってくれた会社の同僚武内小夜が、同じデザインでダイヤの大きな指輪を購入したというのだ。そして後日お披露目会があるらしい。それが我慢...

2010/02/18(木) 21:13 | 苗坊の徒然日記

『まほろ駅前番外地』三浦しをん


待ってました!のまほろシリーズ。今作の主題は「愛」 …なんていうと、大仰で近寄りがたくなってしまいますが、 絶妙なサジ加減で笑いが取り混ぜられていて、 いわゆる恋愛小説や純愛小説とは違います。 婚約指輪のダイヤの大きさ比べから、 昭和戦後の三角関係あり、

2010/04/30(金) 10:40 | 勝手に装丁室

まほろ駅前番外地


著者:三浦 しをん 出版:文藝春秋 感想: 『まほろ駅前番外地』は『まほろ駅前多田便利軒」の続編。 便利屋の多田と行天が登場する便利屋の続編と、曽根田のばあちゃんや由良公な ...

2011/01/29(土) 00:35 | どくしょ。るーむ。

まほろ駅前番外地 三浦 しをん


まほろ駅前番外地 多田便利軒の多田と行天、 そして星、曽根田のばあちゃん、 小学生、由良、岡老人の夫人等が、 主人公になって繰り広げられる物語。 7編の短編からの構成になっています。 今回多田と行天は脇役かな。 でも前作と同様、 今回も、まほろ駅前で、 便...

2012/06/05(火) 21:22 | 花ごよみ

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。