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    2010

01.21

「赤いカンナではじまる」はらだみずき

赤いカンナではじまる赤いカンナではじまる
(2009/10/27)
はらだみずき

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書店員、編集者、出版社営業マンたちの「過去との再会」を描いた恋愛小説集。誰しも忘れられない思い出や、引きずっている過去がある。ある人は待ち続け、ある人は過去を清算し、ある人は過去と向き合って前進し、ある人は逃げてしまったことを後悔し、ある人はかけがえのない思い出に…。ちょっと切なくて、ほんのり温かな気持ちになれる。みずみずしい文章が胸に静かに沁みてくる。そんな優しい一冊。

「赤いカンナではじまる」
その人は涙を流していた。偶然そのとき、同じようにその書店員を見ている男の姿に気づいた。出版社の書店回りの営業マン、作本龍太郎だった。副店長のわたしはその文芸担当の書店員がつくる棚が好きだった。その本たちは決して一冊の本として存在しているのではなく、棚は、棚として完結していた。その当人である保科史江が、まさか辞めるとまで言い出すとは予測していなかった。後日、関西出張で偶然彼女と出会った作本が、意外な秘密を聞き出してくる。

「風を切るボールの音」
サッカーに関する出版物の編集の仕事に就いたのは、五年ほど前のことだった。ようやく念願のサッカーの仕事にありついた。なぜサッカーだったのかといえば、単に、サッカーが好きだったのだ。だが、会う人間、会う人間がサッカー関係者だったりすると、ため息をつきたくなることもある。そんなとき、やはり自分がなりたかったのは、サッカーの選手だったのを思い出す。そういえば、もう何年もサッカーボールを蹴っていない。その日かかってきた電話から、懐かしい声が聞こえた。

「美しい丘」
ある朝、出版社で働く作本のもとに、お世話になった旭川の書店から電話が入った。東京に研修に出る店員を一日面倒みてくれないか、という話だった。東京の主にコミック専門店を見て回らせたいらしい。旭川からやって来たのは、作本を丁寧に客人として扱い、北海道ならではの美しい丘を見せてくれた若い青年だった。作本はそのお礼に彼にも東京の美しい丘を見せてやりたかった。彼には行きたい場所があった。そこでどうしても会いたい人がいたのだ。

「いちばん最初に好きになった花」
出版社で編集者をしているぼくは、ハンディタイプの図鑑シリーズ「野の花」の担当になった。七歳の娘の頭のなかにはどうやら「野の花」がインプットされたようだ。きれいな野の花を見つけたので、花のある場所まで連れて行ってあげる。市民の森のなかに少しばかり入った場所だった。小さな指先の示した場所を見ると、火を灯すようにその赤い花は咲いていた。ぼくはその花の名前を知っていた。彼岸花、別名、曼珠紗華。花を目にして、真菜はやはり自分の娘なのだな、と感じた。ぼくは切ない思い出を回想する。

「最後の夏休み」
大学の四年の夏。大学の友人のなかには、すでに内定をもらっている者もいた。作本はといえば、大学の就職課へも顔を出さずに、掃除機を売るアルバイトをはじめた。バイトが終わると、帰りは大抵マサカズの家へ寄った。同じ境遇の就職が決まらない男の家は、心の平穏を保てる場所といえそうだった。いったい自分は何をしたいんだろう。大人になれば、いつか自分にもやりたいことが見えてくる、そう思っていた。でも、いまだ自分には、何も見えてこない。そんなものだろうか。

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