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    2010

01.24

「坂道の向こうにある海」椰月美智子

坂道の向こうにある海坂道の向こうにある海
(2009/11)
椰月 美智子

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朝子と正人、卓也と梓は恋人同士。けれど少し前までは、朝子は卓也と、正人が梓と付き合っていて…。城下町・小田原を舞台に描かれる、傷つき、もつれた四角関係の“その後”。『しずかな日々』『るり姉』で人気急上昇の著者、初の青春群像ストーリー。

「朝のひかり-朝子」
デイサービスに職場を変わって四ヶ月が過ぎた。正人くんとちゃんと付き合うようになって四ヶ月が過ぎたことになる。だけど、付き合う前のほうが断然熱かった。それまで正人くんには梓がいたし、私にも卓也がいた。同僚の飲み会で気が合って、なんとなくそういうふうになった。回数を重ねているうちに、いつのまにか好きとか恋とかになっていた。私たちはそれぞれの恋人に別れを告げて、その別れた恋人同士が付き合うようになった。一体、付き合うってなんだろう。そうなる前のほうがよっぽど恋人らしかったのに。

「小田原ウメ子-梓」
ハローワークの帰り、思い立って城址公園の象のウメ子に会いにきた。卓也みたいに天然のマイペース男を前にすると、自分の本心がわからなくなる。心から卓也のことが好きなのか、それともこれまでにないタイプのやりとりに必死に追いついて、ただその先をいこうとしているだけなのか。そういえば、城址公園で会ったんだった。これがまた、朝子さんに対する憎しみも怒りも特になし。正人に対する怒りも特になし。別れた今も、正人のことは時々ふっと思い出す。まるで弟を思い出すような感覚で。

「新しい年-朝子」
正人くんの家の玄関脇に置いてある棚には、スター・ウォーズのフィギュアが並べてある。この中のいくつかは、お義兄さんから譲ってもらったものだ。だから正人くんは、私の姉とお義兄さんに会ったことがある。そのあとで、姉が母親に余計なことを伝えたらしく、母親は「連れてきなさい」の一点張りで、仕方なく正人くんを紹介することになってしまった。二十八歳。結婚なんて、ほとんど考えたことなかった。今でもまだ早い気がする。ばかみたいな話だけど、私は、正人くんの次の人と結婚したいって、そんな風に思ってる。

「山桜-卓也」
正人は、隣棟にある居宅介護支援センターへ異動となった。だから今までのように、正人と毎日顔を合わせることはなくなった。卓也は、周囲の好奇の目から逃れることができて、少しだけほっとした。いくら鈍感な卓也にだって、自分たちの四角関係を、他の職員がおもしろがっていることくらいはわかっていた。妹の祥子と梓はいつのまにか仲良くなっていた。そういえば二人は同い年だった。同僚で友人の村上冬樹と詳子と梓と卓也。この妙な組み合わせを考えたのは村上で、飲み会に賛同したのは、祥子と梓だった。

「貝の音-正人」
ハタチまで生きられれば御の字です。ちい兄が生まれたとき、病院の先生に言われたそうだ。心臓に疾患があった。それに比べれば多少の知的な問題など、うちの両親にとってみれば、とるに足らない懸念だったろうと思う。いちばん上の明良は小さい頃から、よくちい兄の面倒を見ていた。ちい兄はちい兄で、正人の面倒を見たがった。明良のように、かっこいい兄貴をやりたかったんだろうと今ならわかる。御の字から、十年経った。最近、ちい兄はよくない。今度一回、一緒に会いに行くわ。そんな風に恋人は言った。

「坂道の向こうにある海-梓」
祥子ちゃんは、卓也の同僚の村上冬樹と付き合ってたんだけど、現在まずい状態にある。村上は祥子ちゃんのことが大好きだから、簡単には別れることはできないし、かといって、祥子ちゃんのひと夏のアバンチュールを許せない。祥子ちゃんの誕生日。どういうわけか、四人で祝うことになった。四人というのは、祥子ちゃんと村上、卓也とあたしだ。村上から電話をもらったときから、そんな予感はしていた。待ち合わせ場所に行くのに、卓也は村上に、あたしは祥子ちゃんに、それぞれ一緒に行ってくれるよう頼まれた。

想像していたドロドロはなかった。というよりも、今風の若者らしく淡白だ。四人が視点を代えて、一人ひとりの心理描写や福祉の仕事を中心に語られ、季節を追いながら物語は進行していく。どの人に感情移入するかは、読む人それぞれに任されている。自分的には、無口なマイペース男子の卓也にグッときた。何を考えているのか外からまったく見えない。でも実はいっぱい思っていることがある。上手く口に出せないのだ。こういう男子っている。つうか、自分がそれだ。惚れた梓ちゃん、えらいっ^^;

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椰月美智子
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