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    2010

02.04

「お稲荷さんが通る」叶泉

お稲荷さんが通るお稲荷さんが通る
(2009/11)
叶 泉

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「名前は?」「リリカ!」なんて、答えてはみたけど大嘘。あたしの名前は桐之宮稲荷だ。稲荷山の高層スラムに住み、アゴに貼った絆創膏の下には、「ウガ」という役立たずの自称神さまも住まわせている。あたしはそんな生き方をしている可愛い十八歳の女の子!…でも娼婦なの。ここはかつて、経済大国なんて呼ばれていた日本の古都があった場所、中華人民共和国、日本省特別行政自治区。あたしたち日本族は最下層の民族と成り果て、過去の栄光が埋もれた世界で、なんとか生きぬいていかなければならない。衝撃の未来を舞台に、健気に生きる娼婦の姿をユーモラスな一人称で描く鮮烈なデビュー作!第9回ボイルドエッグズ新人賞受賞作。《出版社より》

ふいの事故から、あたしの中に変なものが住み着きだした。自称は宇迦之御霊神(うがのみたまのかみ)。主人公のあたしはウガと呼んでいる。まったく、高貴な血が泣いているわ。しかも、神聖な巫女が処女ではないとは、まったく嘆かわしい。とり憑かれてからウガのこの言葉は何度も聞かされている。あたしの職業が娼婦だからだ。ときおり、お祓いの依頼がくる。昔、日本には「わび・さび」なんてもんがあったらしい。ウガと一緒にお祓いする瞬間は、そんな「いとおしい」って気持ちがあたしにも少しだけわかる気がする。

そんなあたしの前に、八咫烏を宿した漢族の少女が現れた。日本族を毛嫌いする少女の怒りもあって、とつぜん神々のバトルに巻き込まれてしまう。その一方で、好きな人の友達に言い寄られて困り、その友達というのが娼婦仲間の華が想いを寄せる人で、あたしが好きな人は華に対して熱い眼差しで見つめている。嫉妬のせいか、華を邪険にあしらってしまう。そうしたところ、華は悪霊にとり憑かれてしまった。あたしの力では祓えないほどの強いやつ。かつて平安の都を震え上がらせていた最強の御霊、菅原道真だった。

未来の京都。しかも日本は中国の属領で、日本族は大陸から来た漢族によって差別の対象になっている。そして廃神毀釈と呼ばれたものが、神社と日本特有の文化を徹底的に破壊した。だから日本族は神々を信仰していたことを忘れ、そして貧しくて、主人公は食っていくために娼婦をしている。こういうユニークな設定はありだと思う。しかしストーリーが進むにつれ、何かで読んだことがある既視感が続く。そんなありきたりな展開になっていくのはもったいないと思った。

それと作品の構成はあっちに振られ、こっちに振られ、とにかくバランスが悪い。主人公の一日を追ったと言われると確かにそうではあるが、そこはもっとすっきりさせるべきだと思った。好きっぽい感じはある。だけど、独自性があるようで、実際のところはなかった。キャラの特色も、それ以外の要素も、もっと膨らますことができたであろう。一本の筋さえ通してもらえれば、さらなる突飛な発想や展開があっても、読者を世界観に引き付ける力はありそう。次に期待かな。その価値はあると思った。

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