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    2009

06.25

「少し変わった子あります」森博嗣

少し変わった子あります少し変わった子あります
(2006/08)
森 博嗣

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もともとは後輩の荒木から聞いた話である。だが、荒木が行方不明だと聞かされるまで、私はすっかりそのことを忘れていた。荒木が知っている店らしかった。否、店という実態はなく、場所はその都度借りているらしく、方々を転々と移っているという。接客に現れるのは三十代の女将が一人だけ。何の店なのか、と訪ねると、よくわからない。ただ、料理を食べ、酒を飲むことはできるらしい。

その店で凄いところは、女性が一人出てくること。普通のどこにでもいる女の子と一緒に食事をする。請求は二人分をされる。ただ違うのは、毎回、違う子が来る。二度と同じ子は来ない。なにもない。本当に本当に、まったくない。ただ、黙々と料理を一緒に食べるだけ。わりと話をする子もいれば、ほとんど話さない子もいる。二人分の料金を支払って、相手に触れることさえない。俗っぽい趣向ではない。そう、アートなんだ。

そんな会話をしたのが一年前のこと。その後は荒木の姿を見かけなくなった。荒木の行方が知れないという状況が公になり、警察の人間は私のところにもやってきた。ただし、この話は警察に黙っていた。そして、警察が帰っていったあと、私はコンピュータのメールボックスを捜し、荒木から届いた古いメールを調べた。彼が通っていたその店の電話番号を見つけるのに、それほど時間はかからなかった。

主人公の思考や観察力がすごく森博嗣らしい。大学の教員である小山は、名前のない店の常連になった。ある女性は夢で見たゴジラのことを話し、ある女性はものごとを具体的にしか見れないと語り、ある女性は言葉を発せず、ある女性は自分の役柄について語り、ある女性は母親が死んだときのことを話し、ある女性はいろいろな町の話を語り、ある女性は教員をやめた理由を話す。

一見、何でもない描写が続いているようだ。だが、途中であるひっかかりを感じた。しかしそれは気のせいだったようにまた、何でもない描写が繰り返される。すると最後になったところで、途中で感じた違和感が実は、大きな意味を持っていたのだと知らされる。これは文学のようで、ミステリであり、その実はホラーなのかもしれない。そんな一風変わった作品だった。森博嗣自身が「少し変わった子」なのかも。褒めています。

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