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    2010

04.17

「小太郎の左腕」和田竜

小太郎の左腕小太郎の左腕
(2009/10/28)
和田 竜

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一五五六年。鉄砲が伝来して十三年。戸沢家が国人たちを従え、領地を膨らませた結果、同じく台頭著しい児玉家と、開戦の運びとなるのは、当然の成り行きであった。当主の利高はこの戦に出ていない。家督を継ぐ甥の図書に、戦の一切を任せていた。功名漁りの異名で称される林半右衛門は、図書の武将としての力量を買っていない。軽蔑さえしていた。案の定、敵の策にはまった図書は完全に包囲され、全滅は見えていた。卑怯を嫌う半右衛門は、わが身を省みず、混戦に踊り込み、図書を逃がすための殿軍を請け負う。

児玉家の軍勢の重囲を突破し、半右衛門主従は、山中に逃げ込んだ。そこで猟師の要蔵という老人と少年の小太郎に半右衛門は救われる。戸沢家が、大敗を喫してからひと月後、年に一度の鉄砲試合が開催された。孫の鉄砲試合出場を異常なまでに阻止しようとする要蔵だが、半右衛門の強い推薦で小太郎は出場を果たす。あのじい様は、何かを隠している。皆から阿呆扱いされているこの少年は、実は左構えの種子島を取っては誰もが及ばぬ絶人であったのだ。

戸沢家で万夫不当の勇士と評される林半右衛門、その半右衛門をいつまでも坊と呼ぶ養育係だった三十郎、そして児玉家で隠れなき勇士と名高い花房喜兵衛、その喜兵衛に雇われた伊賀忍者・無痛の萬翠、猟師の息子で餓鬼大将の玄太、さらに敵は身内にあり?と思わせる愚鈍な戸沢家の後継者である図書など、そのキャラは濃い。特にこの時代ならではの豪放磊落な武者ぶりは、なんとも清々しく、読んでいて胸が高まる気持ち良さだ。その一方で、無垢な少年・小太郎の影が薄い。

だが、待ちに待った小太郎の持つ鉄砲が火を放てば、その瞬間、わくわくするどころか、凍りつくようななんとも言えぬ痛さを胸に感じた。あっけなく人々が死ぬ。ボタンひとつでミサイルが飛ぶ、現代の戦争と重なったからだ。そして、小太郎が目覚めたことで、良くも悪くも物語は急速に展開してゆく。小太郎という、くじを引いた半右衛門はババだったのか。漢(おとこ)半右衛門を贔屓だったせいか、そんなことを思ってしまった。

そして迎える結末は…、武に生きるおとこ同士は清々しい。敵味方を超えたやり取りに感動する。だが、この作品の問題児となる小太郎の行方がなんとも…。ありといえば、ありだが、なんとなくすっきりしない。どうしても鉄砲という飛道具が卑怯に思えてしまうからだ。戦国エンタメとしては面白かった。ただ個人的には、小太郎の扱いがなあ。一番の被害者ではあるが、そこにもやもや感が残ってしまう読書となった。


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和田3

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