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    2010

05.16

「さよならのためだけに」我孫子武丸

さよならのためだけにさよならのためだけに
(2010/03/18)
我孫子武丸

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ハネムーンから戻ってきた新居。二人ともしばらく口を利かなかった。水元くんと月(ルナ)は生まれ持った性格、生育環境などから最高の相性である特Aと判断されたのだから、何の問題もなく幸せな夫婦になれるに決まっていた。でも、なれなかった。何から何まで趣味は合わないし、この人と話していると、何だか苛々してくる。二人はお互いに全く愛情がないことを確認し、離婚を決断する。だが水元くんはPM社員だった。

PM社は、結婚仲介ビジネスの国内シェアを完全に独占しただけでなく、海外でも多くの支社を設立、順調に業績を伸ばし続けることとなった。もはやこれは単なる結婚仲介ビジネスではなく、「家族設計」であり、ひいては少子高齢化、晩婚化といった問題を抱える国の「国家設計」とも言える重要プロジェクトとなっていた。

DNAレベルでベストマッチングと判定された。特A判定の夫婦が百パーセント結婚して、離婚率はゼロ。PMのマッチングのおかげで、日本はここまで立ち直った。でも何かがおかしい。そうしたところ、PM社は、二人の家族や友人をダシに色んな手を使い、離婚を止める妨害工作を仕掛けてきた。夫婦は名実共に赤の他人になるために共闘する。

我孫子武丸らしからぬ内容だが、これが面白い。二人の視点が交互に語られる構成となって、お互いの言い分が披露される。この身勝手な罵倒合戦を繰り広げる新婚夫婦が、「別れる」ために共闘する。そこに都合よくお互いに惹かれあう人物が現れる。水元くんにはルナの同僚の深尋が、ルナには水元くんの先輩乾さんが。お互いに愛情のないパートナーにも関わらず、相手の仲睦まじげな姿を見て湧き上がってくるのは、嫉妬。

そうした複雑な心情を抱えつつ、二人はPM社の卑怯なあの手この手の妨害に立ち向かうのだった。ちょっぴりハードボイルド。でも我孫子節の基本はユーモア。それらが絶妙に絡み合って、読者は壮大な仮想近代国家像に違和感なく溶け込んでいることだろう。最初は苦手だった気の強いルナにしても、いつの間にか受け入れている自分がいた。最後はやや予想通りの結末だが、それらを含めても、面白かった。グッドな一冊です。

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