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    2010

06.12

「ストロベリー・ブルー」香坂直

ストロベリー・ブルーストロベリー・ブルー
(2010/03/26)
香坂 直

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デビュー作の「走れ、セナ!」、その次の「トモ、ぼくは元気です」。この二冊を読んで次回作の期待が高いまま、延々と待たされたことになる。そして、今回が待ちに待った三作目。なんて胸にキュンとくる作品なんだろう。主人公は、同じクラスの中学二年生の男女五人。自分で自分に思うこと、他人から見た自分、聞こえてくる噂。

まだ中学生の彼らは、自分の気持ちを持て余している。大人になれば、ちっぽけな。でも彼らにすれば夜も眠れないようなもやもやした感情だ。家庭不和、挫折、身の程、脱却、後悔……。そこにもう一つの要素、恋人、憧れ、片思い、失恋、未練.....これらが加わることで、とても瑞々しくて、ままならない。そんな五つの物語が交錯するのが本書だ。

家に帰れば、ひきこもりのおにいちゃんのせいで家族がばらばらに。太陽みたいな雅史くんみたいな人といっしょにいたら、わたしもいっぱい笑っていられるかな。ちゃんと好きじゃないのに雅史くんと付き合って、それが相手を利用しているだけという痛みを秘める芝原理子。(「キャッチ・ザ・サン」)

陸上部の自称エースの三田村大介は、遊びで捻挫して市の大会に出られなくなった。その日から部活をサボるようになる。なぎっちは美人じゃない。ぜんぜんきれいなおねーさんじゃない。けど、なんかよかった。ぐちゃぐちゃした気持ちを、はじき飛ばしてくれそうな笑顔だったから。(「ロスト・パラダイス」)

野田琴海は、ペテルギウスを思うと怖くなる。そして、宇宙の大きさに心がすくむ。だからあの日、あたしは震えるほど「すごい」と思った。宇宙を閉じこめるみたいな感覚だから。第二理科室で、横山くんがそう言ったときのことだ。そのときからだ。横山晴彦くんが気になりだしたのは。(「ペテルギウスの情熱」)

綿森美月が三田村くんに数学を教える仕事に就いたのは、オファーがあったからだ。私は自慢じゃないが、ひとり好きというIDしか持たない中学生だ。三田村くんが口にした私を選んだ理由は、いちばん無駄なく、サクサク教えてくれそう。なんだか、ちょっとよかった。それだけの理由だった。(「二月のプランクトン」)

生物部部長の横山晴彦。にぎやかなところにはいつも野田がいる。そんなキャラの彼女が、どうして生物部で地味に顕微鏡をのぞいているぼくなんかを好きになったのか。木崎美優。木崎と口を利くのは、一年の夏以来だった。あの日から、木崎は遠くなった。まとう空気をかえてしまった。(「ストロベリー・ブルー」)

つきあうのに条件なんてないし、そんなことで挫けていられないし、そんなに深く考えて生きてるわけじゃないし、苦手にしていてもなんとなく人の波に乗れるし、どんなに苦くてもそのうちいい思い出になるし……。大人になってしまうと、こんなつまらない回答が出てくる。でも、誰しもが思春期に経験するほろ苦さが、ここにはある。良書です。

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