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    2010

07.20

「小暮写眞館」宮部みゆき

小暮写眞館 (100周年書き下ろし)小暮写眞館 (100周年書き下ろし)
(2010/05/14)
宮部 みゆき

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高校生になった花菱英一は、変わり者の両親に慣れられないでいた。そもそも、自分の長男を、友達がみんなそう呼んでいるからといって、一緒になって、花ちゃんと呼ぶのはおかしくはないか。当然のように八歳年下の弟ピカもそれに倣う。花菱秀夫・京子夫婦は、この夏、結婚二十周年を機にマイホームを購入した。築三十三年の古家。しかも店舗付き。場所は、臨死状態になってしまった商店街のど真ん中に位置していた。酔狂な世帯主が固執したもの。それはお店の部分をそのまま残してリフォームした上で、この店の昔の商いを示す看板を掲げたまま生活を始めたことだ。〈小暮写眞館〉。この看板のせいで、小暮さんがプリントしたという心霊写真が持ち込まれてしまう。「第1話 小暮写眞館」

いい加減な噂がネット上で広がっていた。花菱英一は強力な霊能力者で、心霊写真の浄化をしたことがある、というものだった。確かに英一は持ち込まれた心霊写真に興味を惹かれて、ちょっと調べた。で、それなりに謎を解明した。じゃあ、もう一度やれるわね。そう言って、バレー部の田部女史から不思議な写真を押し付けられる「第2話 世界の縁側」。ST不動産の須藤社長にうまうまと任されたのは、お誕生会のスナップにカモメが写っていると少年が言い切った「第3話 カモメの名前」。絶縁した親戚関係がきっかけになって起こった花菱夫婦離婚騒動&秀夫野宿事件。その夜から、ピカの様子がおかしくなる「第4話 鉄路の春」。

700ページの大長編、という本の分厚さやその重さに読む前からめげてしまう自分がいた。だけど頑張って読んでみた。途中でその回りくどさに集中力が途切れて居眠りすることもあったが、なんとか三日で読みきった。一番に思ったことは、主人公を含めた登場人物に魅力がある。「ま、いいけど」が決め台詞の花ちゃんこと花菱英一、コドモ人生常勝将軍を行く弟のピカこと光、幼友達で人気者のテンコこと店子力(たなこつとむ)、丸顔で色黒からコゲパンと呼ばれている寺内千春、そのコゲパンに熱い視線を送る橋口、鉄ちゃんのヒロシとブンジなど、個性豊かな彼らに触れていると、ふとデビュー当時の宮部作品を思い出した。そうだった。いきいきした魅力ある少年を描かせたら右に出る者はいない。そう絶賛している過去の自分がいたのだ。

また、大人たちからも目が離せない人がいる。庭で野宿が趣味という面白系の代表と言っていいテンコの父ちゃんを筆頭に、英一の調査になにかと協力してくれるST不動産の須藤社長、その部下で、毒舌で邪眼を持っているミス垣本。このミス垣本が英一の鬼門のような存在であり、その動向が各章のサイドメニューになって作品の重要ファクターになっている。そして亡くなった小暮さんの幽霊が花菱家に出るという噂がずっとあって、さらに花菱家では暗黙の了解でタブーになっている四歳で亡くなった風子のことがあって。ゆっくりだけど、ひとつひとつを学び、成長していく花菱英一。いや、花菱兄弟の物語だ。

最後は、泣けた。グッドジョブと言いたい。だけど、かつての宮部作品では眠くなることはなかった。本作では、残念ながらそういう部分が多々あったのは確かだ。現代ものや、時代もの、ファンタジーと、幅広い作風を持つ著者だが、最近の作品は長いものばかりが続いている。ここらでギュっと内容が詰まった短編に一度戻って欲しいと一読者は思った。長ければ大作、ではないのだから。一度読んでももう一度読みたい。そんな作品を期待したい。面白かったけど、そういう満足感はなかった。

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宮部みゆき
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comments

心霊写真はあんまり好きじゃないけど
久しぶりに読んでみようと思った
宮部みゆきは小5の時読んで以来だな

とある:2010/07/20(火) 19:55 | URL | [編集]

とあるさん
心霊写真に焦点をあてた作品ではなかったです。
謎の題材ではありますが、それよりも人。
通して描かれているのは、人の心の成長でしょうか。
小5が何年前か知りませんが、時間があればチャレンジしてみて。

しんちゃん:2010/07/21(水) 22:45 | URL | [編集]

ピカちゃんやコゲパンたち登場人物がとても魅力的でいろんな要素の詰まった心があったかくなる物語でした。
宮部さんの持ち味だと思うんですが回りくどいぐらいの丁寧な書き込み描写はちょっと苦手だったりします。

banchi:2010/07/22(木) 11:18 | URL | [編集]

banchiさん
登場人物たちに魅力がありましたよね。
そこはいつも上手いな~と思います。
でもデビュー当時はこんなに回りくどかったでしょうか。
余分と思える文章が増えた。結果的に回りくどい。
そこに必要以上本が分厚くなった原因があるような気がします。

しんちゃん:2010/07/23(金) 22:58 | URL | [編集]

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