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    2010

08.14

「月の恋人」道尾秀介

月の恋人―Moon Lovers月の恋人―Moon Lovers
(2010/05)
道尾 秀介

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派遣社員の椋森弥生は、短大時代から七年間付き合っていた彼氏に騙され、信頼していた会社の先輩に失態を押し付けられてしまう。もうぜんぶが嫌になった。旅行する。海外旅行。美味しいものを食べて、高いもの買って、貯金を全部使い果たしてくる。すべてに疲れた彼女はおもいきって仕事を辞め、今まで貯めた貯金をぜんぶ使ってしまおうと上海に飛んだ。だけど、染み付いた自分を簡単には変えられなかった。その旅行中に弥生はある男と出会う。それは最悪の印象だった。

葉月蓮介が社長を務める高級家具専門のレゴリスは、上海支社の業務開始を目前に控えていた。上海支社が建っているこの土地は、経営の傾いた伝統家具工場から買い取るかたちで手に入れた。しかし現地の元従業員たちに再就職を斡旋したのだが、彼らは思いのほかレゴリスに強い敵対心を抱いており、大半は拒絶した。その中にリュウ・シュウメイがいた。今後のプロモーション活動に向けて、レゴリスは広告用の素人モデルを探していたのだ。

冷徹にビジネスを成功させる青年社長・葉月蓮介が、夜の上海で巡り合った女。舞台は東京に移り変わり、彼女たちの一人は、己の身を偽って蓮介に近づき、かたやもう一人は、蓮介の方から近づくのだった。葉月蓮介、椋森弥生、リュウ・シュウメイ、主要な登場人物の三人は、ともに何かしらの嘘をついている。見えない仮面を被っているのだ。それ故に、読み始めた頃は、感情移入しづらくてあまり面白くはなかった。

ある人物は言う。人が嘘をつくときは、何かに不安を感じているときだと。その辺りから急に読みやすくなった。というのも、彼らの表と裏側がちゃんと見えてきて、その人物の隠れていた魅力が浮き上がってくるからだ。それともうひとつ。エッセイの「プロムナート」を読んだ方は気づいたと思うが、あのエピソードがこんな感じでネタになっていたのね、という面白味がここにはダイレクトにあった。その逆もしかりだが。その後、人物劇が錯綜し、肝心のドラマもゆっくりと動き出す。

淡い思いが微笑ましくて、やり切れない思いが切なくて、嫉妬で他人を傷つけてしまう心の狭さが痛くて、どうしようもない苦悩があり、その一方で、お気楽者たち(弥生の弟、高畠社長、おんちゃん)のユーモアで笑えて、最後はフジテレビ月9らしいお決まりのハッピーエンドを迎えることになる。そのテレビの方が評判悪かったようだが、本書に限っていえばそんなに不味かった作品ではなかったように思う。本と映像は別もの。映像化に成功した原作はなし。本作品も割り切って読めば楽しめると思いますけど。

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