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    2010

09.11

「ふたりの距離の概算」米澤穂信

ふたりの距離の概算ふたりの距離の概算
(2010/06/26)
米澤 穂信

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やらなくてもいいことなら、やらない。やらなければいけないことなら手短に。この言葉をモットーに、折木奉太郎は全てにおいて省エネを目指していた。わたし、気になります。千反田えるの尽きない好奇心は古典部に、ひいては省エネ主義者の奉太郎にいくつもの厄介事をもたらしてきた。それらの多くは冷静に考えて、解決されなかったとしても奉太郎自身に不利益ではなかった。それでもほとんどの場合で最後まで付き合うはめになってきたのはなぜなのか。たぶん千反田の大きな瞳のせいなのだと思う。

一年が過ぎ、奉太郎たちは二年生になり新入生が入ってきた。古典部も新入部員を募集した。紆余曲折はあったけれど、一人の部員を確保した。大日向友子は仮入部届を出し、あとは本入部届を出すだけになっていた。彼女は伊原摩耶花になついていたし、千反田ともよく笑って話をしていた。誰もが大日向は何事もなく本入部するものだと思っていた。それがいきなり入部しないと言ってきた。どうやら部室での千反田との会話が原因のようだが、奉太郎は納得できなかった。千反田は他人を傷つけるような性格ではない――。

奉太郎には少しだけ心あたりがあった。大日向が仮入部してからこちら、妙だと思ったことが一つ二つないわけではない。もしかしたらその辺りのことをつつけば何か出てくるかもしれない。それすら思い違いかもしれないが、まあ、やってみようかという気にはなっている。何しろ二〇キロだ。ただ走るには長すぎる。奉太郎は、入部締め切り日に開催されたマラソン大会を走りながら、大日向の心変わりの真相を推理する。それには伊原と千反田に話を聞かなければならない。一方で大日向には今日中に接触しなければならない。

そうそう、この気だるい雰囲気が古典部シリーズの持ち味だった。第五弾は、マラソン大会当日の奉太郎たちと、大日向との出会いなど過去の回想シーンとが交互になって進んでいく。入部しないと突然告げた大日向の心変わりがメインにあって、それとは別に章ごとの回想シーンにも日常の謎解きがあるという構成。新入生を勧誘する新勧祭で見つけた少し違っている感じの正体、突然開催されることになった奉太郎の誕生会での困ったアイテムなど、長編のかたちを取った連作短編形式であるのが本書だ。

「ふたりの距離の概算」。それはふたりの物理的な距離だけではなく、人と人との心の距離でもあるのだ。そして、その距離を概算するということは、他人の心の中にまで踏み込んでしまうということに。これが結構ほろ苦い。どちらかといえば古典部シリーズよりも小市民シリーズに近い結末かも。そうはいっても、がちゃがちゃしている新勧祭も楽しいし、秘め事にそわそわしている誕生会もニヤリと笑える。いろんな要素が堪能できる一冊じゃないでしょうか。それにしても迷惑な勘違いだけはごめんだ。

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米澤穂信
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ふたりの距離の概算 米澤穂信


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