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    2010

09.26

「ヌれ手にアワ」藤谷治

ヌれ手にアワヌれ手にアワ
(2010/07/22)
藤谷 治

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渋谷駅周辺はとんでもないことになっていた。走っていたトラックが段ボール箱を道路に落とし、その真後ろを走っていた家畜運搬車がそれを踏み、振動で荷台の掛け金が外れて、積んでいた闘牛十五頭が逃げ出したのだ。平均体重五百二十キロの闘牛たちは、車道で自動車をぺしゃんこにしたりガードレールを捻じ曲げたりして暴れた挙句、フェンスを突き倒して線路に侵入し、事故から一時間たった現在も逃走中である。このため東京都内のJRがほとんど運転を見合わせ、主要な道路はどこもかしこも大渋滞だった。

そんな中、モヤイ像の前で一人の老人が「観音様の下に、凄いものを隠した。あれさえあれば、世界一の金持ちになれる」と言い残して昏倒した。偶然そこに居合わせた五人の男女は色めきたった。二十代の若い失業男、ギャル社長志望ギャルのアカネ、フィリップとグレースと呼び合う気取り屋の借金地獄夫婦、スキャンダル政治家秘書の剣菱など、負け組人生一直線のワケアリ連中だ。彼らは、人生一発逆転を夢見て、お宝を独り占めしようと、あの手この手を繰り出すが。

こういうテンション高い藤谷作品は久しぶりだ。「舟に乗れ」以降のファンはこれに驚いたかもしれない。だけど、自分はこういうポップな作品をずっと待っていた。腹立つぐらい欲の皮の突っ張った身勝手な連中が、自分のことのみを考えて、我が我がとわちゃわちゃ動いてる。はっきり言って醜い。でもその無様な様子が滑稽で笑えてくる。しかもこのドタバタ劇の展開が猛スピードでひと息つく間もなくエンディングへと流れ込む。また人を食ったようなオチにも半笑い。著者にはこういうエンタメ作品をもっと書いて欲しい。そう文学苦手の一読者は思った。面白かった。

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藤谷治
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