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    2010

09.30

「窓の外は向日葵の畑」樋口有介

窓の外は向日葵の畑窓の外は向日葵の畑
(2010/07)
樋口 有介

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舞台は東京の下町月島。松華学園高校二年生の青葉樹(シゲル)は江戸文化研究会に所属している。このクラブに入った理由は部長から「入りなさい」とスカウトされたからで、それ以下でもそれ以上でもない。相手は一年上級の高原明日奈。入学した直後から、随分綺麗な上級生がいるな、と思っていたことも事実で、その明日奈に直接命令されてしまったら、もう仕方ない。加えて親父さんが学校の理事長だというのだ。シゲルは、幼馴染の真夏にバカにされながらも、まずまず無難にクラブ員の務めを果たしていた。

シゲルの親父は三年前に、ミステリ作家を志して警察を辞め、その半年後には馬鹿につける薬のネット販売を開始した。親父に愛想をもクソも尽きはてたお袋は離婚後、隅田川の掘割をはさんだ向こうの実家へ戻っている。そんな夏休み、江戸文化研究会部長である明日奈と副部長の佐々木信幸が相次いで失踪した。それを聞いて乗り出してきたのが元刑事の親父。最近婚活に忙しい親父は、息子のクラブの事件以上に、顧問の美人教師・若宮先生に興味があるらしい。下心見え見えで探偵をはじめた親父に手を焼きつつ、シゲルもまたクラブの後輩である帰国子女の園藤紅亜に迫られ、自らも真相を追うことに。

従来の樋口ファンなら、ニヤリ笑い満載かも。親父の書く作品はいつも中年の私立探偵が活躍するハードボイルド。それも被害者やら容疑者やらの登場人物がみんな嘘みたいな美人で、そういう美人たちに主人公の私立探偵が、なぜかモテてしまうのだ。さらに主人公である探偵の唯一の趣味が洗濯。ファンなら思い浮かべるのはあの人しかいない! そして本書もまた、あの人を彷彿させる言動や態度のニヒルな親子が、なんとなく活躍する。そう、運まかせ、風まかせ、そこに加わるちょっとした勘働き。事件や謎に対して、ガツガツしていないのが樋口作品なのだ。

そして美少女、美人、中年女に至るまで、性別がメスなら、とことんスカしてキメるのが探偵を務めるオスの主人公、本書で言えば、親父のカンジだ。今回は、この親父とまだ目覚めていない息子による男同士の親子の会話も読みどころとなっている。ジャンルで言えばミステリ。でも、謎解きに挑む作品ではない。樋口作品は一貫してそうだ。キャラの魅力とユーモアある会話で読ませ、意外なところで繋がる男と女の危うさを感じつつ、気がつくとなんとなく事件の真相に繋がっている。東海道中のヤジさんキタさんじゃないけど、面白ければそれでいいじゃん。そんな匂いがぷんぷんする作品だった。

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樋口有介
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