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    2010

10.07

「ばら色タイムカプセル」大沼紀子

ばら色タイムカプセルばら色タイムカプセル
(2010/08/07)
大沼紀子

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十三歳ながら頭が白い。つまりは天然総白髪。医者によれば、過度のストレスによるものらしい。森山奏は、一身上の都合により家出した。転々とした結果、いつの間にか房総半島に足を踏み入れていた。そうして辿り着いたのが、千葉の端っこ、寂れた感じの小さな港町にある女性専用の老人ホーム「ラヴィアンローズ」だった。狂おしいほど咲き誇る薔薇が自慢のこの施設で、年齢を二十歳と詐称して働きはじめたそこには、人生の余暇を謳歌する老女たちがいた。

歌舞伎役者を偏愛しているプロの乙女で仲良し三人組の万理さんと佐和子と千恵さん。昔取った杵柄で歓談室にてクラブを営業している元ママの登紀子さん。食に対して強いこだわりを持つ偏屈者の長子さん。薔薇の手入れに命を燃やすオーナー代理の遥さん。ここの入居者たちときたら、みんなすべからく人遣いは荒く、自分の欲望に忠実で、自分本位で遠慮がないときている。老人というのは、人柄が丸く穏やかで、煩悩なき人たちだと思っていた。でもそれは、大きな勘違いだったことを知る。

一癖も二癖もあるお年寄りたちとのにぎやかな共同生活で忙しく働く日々の中、苦節十三年、どうやら奏にも、友達なるものができたらしい。家出を計画している同い年の山崎和臣だ。山崎和臣は、こともなげに言った。ラヴィアンローズの薔薇の庭には、死体が埋まっている。地元の子供たちの間で囁かれているその噂は、山崎和臣の母親が子供だった頃から、語り継がれているものだという。奏と山崎和臣は、ひょんなことから噂の真相を調べることに。

デビュー作「ゆくとし くるとし」から月日が経つこと五年ですか。それでも待ち続けた甲斐はあったというもの。いい。すごくいい。老いや病、認知症や家族、自分を含めた死など、老女たちは重いテーマを軽やかに語る。そして人生を持て余している若い二人は、まだ知らない、色んなことや、色んな気持ちを、知って、学んでいく。本書で繰り返し語られる諺は、禍福は糾える縄の如し。大好きなロックバンドの曲が頭にリフレインする。グッドタイムス・バットタイムス。人生にはいい時も悪い時もあるさ、と。

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ばら色タイムカプセル著者:大沼 紀子ポプラ社(2010-08-07)販売元:Amazon.co.jpクチコミを見る オススメ! 13歳の家出少女・奏が流れ着いた場所は、海が見える町にたたずむ、不思議な老人ホーム『ラヴィアンローズ』だった。咲き誇る薔薇が自慢のこの施設で、年齢を詐

2010/11/05(金) 01:54 | 苗坊の徒然日記

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