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    2010

10.15

「空色メモリ」越谷オサム

空色メモリ空色メモリ
(2009/11/27)
越谷 オサム

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ただひとりの県立坂越高校文芸部部員、ハカセこと河本博士に春が来た。なんと、新入生の女子が入部してきたのだ。だが、我が文芸部唯一の新入部員・野村愛美さんとは毎日のように顔を合せてはいるが、おれの違和感は大きくなるばかりだ。入学したてで右も左もわからない女の子が、一人で部活見学なんかに来るものだろうか。普通そういうのって、クラスで席がたまたま近いとか、そういう仮押さえの友達なんかと二、三人で覗きに来るものだと思うのだが。

思えば、一年前のおれとハカセがまさしくそのパターンだった。中学違いでも自宅が近いことから仲良くなり、当時の文芸部先輩たちに泣きつかれ、お人好しのハカセは抵抗する暇も与えられず入部届に名前を書かされ、勧誘をのらりくらりとかわし続けたおれは「部員じゃないけどなぜか部室に入り浸っている奴」という位置を獲得することに成功した。そんな具合に一人で部活見学に行くのは躊躇するものなのに、野村さんは単身やってきて入部を決めた。

そんなある日、ファーストフードで野村さんが男と楽しげに食事しているのを目撃してしまった。相手は、無愛想ながらバスケ部ホープの超イケメン。地味な野村さんとはまったく釣り合いがとれないと思うモテない二人。そんな中、超イケメンが暴力事件を起こし停学になった。その日から野村さんはクラブを休む。また登校すれば、靴を隠されるという嫌がらせを受けていた。そんな日々をおれはおもしろおかしく空色のUSBメモリに綴っていた。その空色メモリが思わぬ騒動を巻き起こして―。

デブとメガネのモテない男子二人の会話に若干ひく部分はあるものの、大概は笑うことができた。そして途中から後輩女子のサキが加わることにより、自虐とダメさに限定された笑いから、ユーモアの幅が二倍三倍に膨らんだ。それと共に、あくまで第三者という立場に余裕をぶっこいていた主人公だが、いわゆる事件の当事者になって、突然あたふたするのも面白かった。その延長で気づく、主人公の淡い恋心も乙なもの。惜しいのは、そこですべてが終わっていたところ。ページをめくって白紙。これには落丁を疑ったほどだし。

そういう残念を踏まえた上でも、とてもとても面白かった。「ボーナス・トラック」「階段途中のビッグ・ノイズ」「陽だまりの彼女」「金曜のバカ」と全作品を読んでいるけど、これまでハズレは一切なし。ちょいとベタなユーモアで、笑えるぐらいのほろ苦さで、熱い思いが暴走させる勢いが清々しくて、ひと昔まえの甘酸っぱさが堪能できて、今も継承される若さゆえの青さが嘘くさくない。もっと読まれてしかるべき作家だと強く思う。というわけで、全作品、おすすめ!


越谷オサムさんのサイン。

越谷1

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