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    2010

11.09

「光待つ場所へ」辻村深月

光待つ場所へ光待つ場所へ
(2010/06/24)
辻村 深月

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「しあわせのこみち」「チハラトーコの物語」「樹氷の街」 この三編を収録したスピンオフ短編集。辻村作品の持ち味のひとつ、それは作品間の繋がり。つまり登場人物のリンクにある。見つけた時には、キタ!という感じだろうか。前回の「ロードムービー」では、わかりにくいリンクだったけれど、今回の作品はわかりやすい。

「しあわせのこみち」では、「冷たい校舎の時は止まる」に登場した清水あやめと鷹野博嗣。「チハラトーコの物語」では、「スロウハイツの神様」に登場した加々美莉々亜と赤羽環。「樹氷の街」では、「名前探しの放課後」に登場した天木や秀人や椿、「凍りのくじら」に登場した松永くんと家政婦の多恵さん、そして芹沢理帆子さん、と。

「しあわせのこみち」
世界を強く見るのには、能力がいる。感性という武器がいる。そしてその武器を持っている人間は選ばれた一握りの人間たちだけだろうと思っていた。清水あやめ、T大学文学部二年生。感性を武器に絵を描いてきたという自負があった。たった三分間のフィルムが見せた世界は美しかった。生まれて初めて味わう、圧倒的な敗北感だった。田辺颯也。それが彼の名前だった。

「チハラトーコの物語」
チハラトーコは芸名。本名の千原冬子をカタカナにしてある。ガチに美形でスタイルよくて、ガチに博識でオタク。そして千原冬子は、嘘つきだ。自分を嘘のプロだと自負している。観客のいない嘘はつまらない。話した相手を楽しませることができてこそ、嘘話には初めて意味が宿る。恩師、モデル仲間、強気な脚本家との出会いが彼女にもたらすものとは?

「樹氷の街」
中学校最後の合唱コンクール。天木が指揮をやることはすぐに決まった。その後決めた伴奏者に、倉田梢は自分から立候補した。合唱練習が始まって数日しても、倉田梢のピアノは途中で止まり、歌声もバラバラ。クラスメイトたちの関係もギクシャク。そんな時、天木は友人の秀人や椿から、同じクラスの松永郁也が天才的なピアノの腕を持つことを知らされる。

自分は特別だという自意識ゆえの傲慢さや挫折感。飾るためについているはずの嘘が、自分をしばって身動きできなくしていく。「しあわせのこみち」「チハラトーコの物語」に共通するのは痛さ。これら痛さには共感なんてできないが、自分の感情と向き合って、今から一歩踏み出す姿に救われる。それにしても、ここ最近の辻村作品はひりひりした感情描写に凄味が増したように思う。その一方「樹氷の街」はオールキャストによる青春小説。こういうのもいい。というか、久しぶりに泣かされた。


辻村深月さんのサイン。

辻村3

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辻村深月
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[review]辻村深月『光待つ場所へ』


 悔しさ、恥ずかしさ、いたたまれなさ。そんな誰もが味わう感情の動き。完膚なきまで打ちのめされたあのとき、自分の存在が否定されたようだったあのときがよみがえる・・・  『ロードムービー』に続くスピンオフ短編集。今回も思いもよらぬあの人との再会が待っています

2010/12/06(月) 18:39 | こんな夜だから本を読もう

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