--

--.--

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

スポンサー広告
トラックバック(-)  コメント(-) 

    2010

12.03

「オルゴォル」朱川湊人

オルゴォルオルゴォル
(2010/10/08)
朱川 湊人

商品詳細を見る

主人公は、もうすぐ小学五年生になるハヤト。トンダじいさんは、ハヤトと同じ東京の公団住宅に住んでいる。いわゆる顔馴染みでしかない。ところが、鹿児島に住んでいる友だちにオルゴールを届けてもらいたいと、一生に一度のお願いをされ、ハヤトは引き受けてしまう。届けに行くのは大人になってからでもいいと、トンダじいさんはいった。けれど、トンダじいさんが死んでしまっては、話は別だ。トンダじいさんは、団地の自分の部屋でひっそり亡くなっているのを発見された。例のオルゴールのことが、ズシリとハヤトの肩にのしかかってきた。当のトンダじいさんが死んでしまった以上、もう返すこともできなくなった。

後戻りできなくなったハヤトは、春休みの間、大阪に住む父さんのところに行きたいと母のヒトミさんに思い切って告げ、初めての一人旅に出るのだった。だが到着した大阪では、父さんは新しい奥さんのミチコさんと暮らし、おまけにお腹の中には自分の弟か妹にあたる子がいて、帰ろうかと思った。それを助けてくれたのが、同じマンションに住む電撃ガールことサエさんだった。広島と長崎に旅行する予定だったサエさんが、一緒に鹿児島までついてきてくれることになるのだ。ハヤトは、トンダじいさんの想い出のオルゴールを届けるため、あらためて一路西へ旅立つ。


読んでいて何度も錯覚することがあった。これって小路幸也さんじゃないかと。それくらい普段の朱川作品とは縁遠い、ふつうの現代で、ふつうの日常で、ふつうの子どもが旅をする。クラスのいじめとか、生徒になめられた先生とか、離婚した夫をけなす母とか、そんな大人たちの顔色を見て、その時々の空気を読んで対処する今風の子ども。そんな子どもが、福知山線の事故や、原爆ドーム、阪神淡路大震災と、実際にあった悲劇と向き合う旅の中で、見るものすべてに価値観を揺さぶられ、少しずつ成長してゆく。

すごくいいお話だ。児童書の王道をいくような作品だ。だからこそ、朱川さんっぽくなくて、小路さんだと錯覚する。主人公のハヤト、同級生のシンジロウ、ハヤトと同行するサエさん、ハヤトを大事に思うヒトミさんや父さんやミチコさん。基本的にいい人ばかりが登場する。しかし一番納得しがたいのが、オルゴールをハヤトに託して死んだトンダじいさんだ。するかなぁ、そんなこと。でも、微笑ましくて、温かい作品だった。

ポチッとお願いします。その一つが励みになります。 にほんブログ村 本ブログ 読書日記へ

朱川湊人
トラックバック(0)  コメント(-) 

trackback
この記事のトラックバックURL

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。