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    2011

02.17

「エルニーニョ」中島京子

エルニーニョ (100周年書き下ろし)エルニーニョ (100周年書き下ろし)
(2010/12/10)
中島 京子

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東京の女子大生・瑛(てる)は、同居している男・ニシムラのDVから逃れるため、新幹線に飛び乗った。行き着いた先は、行ったこともない南の町。そこで、ニノという男の子と出会った。ニノもまた、何者かから逃げているらしい。南へ南へ、2人の逃避行が始まった――。そして、ついに引き裂かれてしまう瑛(てる)とニノ……。二人は再び出会うことができるのか――? 21歳の女子大生・瑛と7歳の少年・ニノ、逃げたくて、会いたい二人の約束の物語。

エキゾチックな顔たちのニノはおそろしく口数が少ない。しゃべれないのかと、最初、瑛は思った。そんなニノ少年は、フィリピーナのお母さんとはとても小さいときに別れてしまい、お父さんの顔は見たこともない。施設には帰らないと言い張り、だいいち施設にはもうニノの居場所がない。なぜなら灰色の男がニノをどこか外国に連れて行こうとしているからと、逃げることにしたという。

てるは、ストリートのスーザンおばちゃんに〈森のくまさん〉の歌の意味を教えられて逃げ出し、そしてホテルの電話に残されていた不思議なメッセージに導かれてニノと出会い、昔ながらの商店街にある石松砂糖販売のおばあさんを助けて商店街を活性化させる。てるとニノの距離感もよく、間に挟まれる伝承あるいは物語との実際の今とのリンクも楽しい。だけど、そんな二人には追跡者がいて、その影が見えるたびに次の町へと逃走劇が続く。

ニノとてるはよくかくれんぼをして遊んだ。ニノの大好きな遊びだ。不思議なことに、ニノは必ず鬼になった。瑛に隠れさせておいて、見つけるのが好きだったのだ。てるはとろいからけっしてニノを見つけられない。もしおれがいなくなっても、てるは探さなくていい。おれがてるを見つけるから。ニノはそう、瑛に言った。読み進むうちに、このセリフが、物語の中心にと据えられる。

エルニーニョとは、大気と海洋が密接に連動した現象で、片方の気圧が平年より高いと、もう片方が低くなる傾向にある。また海水温がシーソーのように変化する現象である。そしてニーニョという言葉は、小さな男の子のことらしい。てるとニノ。ふたりは互いに守り守られ、絆を深めていく。そして苦しい現実と向き合いながらも、なんとかしようとする。清々しくて、切なくて、その絆の強さに感動する物語。

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中島京子
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