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    2011

03.03

「祝福」長嶋有

祝福祝福
(2010/12/11)
長嶋 有

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なにかドラマがあるわけではない。それぞれの人物にある日常の風景。そんな誰にでもある時間だけが淡々と流れていく。さらっとした内容ではあるものの、浅香唯や小沢健二、カップラーメンや携帯電話など、エッセイ「電化製品列伝」でわかるとおり、著者ならではの小道具の扱い方がおもしろい。だけど記憶に残るかどうかは…。

遠くで丹下、と聞こえる。寝たまま天井の、明るさをみる。遮光カーテン越しでも、外は明るい、晴れていると分かる。そうだ、今日こそこだま亭にいこう。サンマ定食食べたい。ある物臭い女性作家の、いつもと変わらないだろう物臭な一日「丹下」

マラソン大会の最中、根暗で運動音痴な僕に話しかけてきたのは同級生の川田だ。川田は学年でただ一人の不良だった。浅香唯のセシルって歌、知ってるか。川田の誘いで二人は川田の家へと向かう。「マラソンをさぼる」

前を歩いていた恋人がつぶやき、顔をあげると遠くで最初の花火が輝いた。川面に花火が次々とうつる。「こっちこっち!」と呼び止められる。振り向けば河原の斜面に数人が座り込んでいた。知らない男女ばかりで、誘ってくれた友人の顔の広さに感心する。「穴場で」

コンビニでお湯を入れさせてもらったカップラーメンをコンビニの前で食べる。遅れて山根がコンビニから出てくる。山根は機種変更したばかりの携帯電話の着信した時のアンテナを何色に光らせるかで悩んでいる。二人は歩き出し、近くの公園にきた。「山根と六郎」

頼子は銀行強盗に遭遇した。大きな爆発音が響き、顔をあげたら男が天井に銃を向けており、その銃口からは煙が揺れていた。身をすくませ床をみつめつづけると頼子の気持ちは不意に高校時代に戻ってしまった。銀行強盗の最中なのに。「噛みながら」

毎年父とくる山荘に、今年は一人で向かう。バスを降りて二十分かけて山荘まで歩く。いつも山荘に原稿用紙やノートパソコンを持参するが、ほとんど仕事のはかどった例がない。いい天気だ。東京は猛暑だった。へっへっへっと声がもれた。「ジャージの一人」

コマーシャルに小沢健二の曲をつかうのは反則だ。画面をみてしまって、ちっと思う。人気が出るまでは応援に力が入る。売れすぎてしまうとなんだか冷めてしまう。テレビでみたから、久しぶりに小沢健二の曲をかけて家事を始める。「ファットスプレッド」

久しぶり。どうせならさあ、釣りいかない。西口の改札で待ち合わせをしたが、大勢いる中で釣り人の格好をしているのは原田だけだった。今日、ここにきてよかったのか、悪かったのか、どっちなんだろうかと考え始める。「海の男」

怒鳴ると妹はしょげる。泣き出すことも多いのに、そのくせいつまでも怒られるようなことをする。いつまで待っても母は帰ってこない。人が住まなくなった社宅。出入りするのは、たくさんの猫だけ。そんな時、積雪から屋根に穴があき、照明も消えた。「十時間」

すでに大勢いて、ざわついている。都内で評判のレストランを新郎新婦は借り切った。いわゆる気のおけないパーティー形式だ。なんだか熱っぽい。会場を出てタクシーに乗り込んだところでLから着信。自分はちゃんと好きになることができているのか。「祝福」

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長嶋有
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